自分が購入した住戸(例えば205号室)の出来栄えはどうだろうか?不具合はないか?などの心配を購入者は持っています。自分の買った住戸の出来具合が気になるのは理解できますが、それよりも契約書・重要事項説明書・管理規約などに目を向けるべきだと考えます。というのは・・
現在八幡東区や戸畑区で分譲中の新築マンションは10棟近くあり、大変な激戦区になっています。
これらの物件で、ある人はAマンションを購入し、また他の人はBマンション、Cマンションを購入します。
それぞれの方が自分なりの価値基準により比較検討しながら購入しています。
その判断材料になっている主なものは、一般的には、交通機関などへのアクセス・学校区・買い物などの利便性、騒音など、これら環境や立地に関するもの。
また、マンションそのものに対しては、売主の信頼性・施工建設会社の信頼性や技術力・販売代理会社の信頼性などがあげられます。
最近では、鉄筋の配筋係数なども判断基準の1つだと思われます。
さらに、間取りが自分のライフスタイルに合っているか、収納はたっぷりあるか、設備仕様は最新のものか、インテリアは好みに合ってるか、駐車場は確保できるか、玄関ドアの鍵を含め防犯体制は十分かなどが、多くの人の価値基準になっていると思われます。
マンションを購入すると好むと好まざるとにかかわらず、管理組合の一員になり、管理費・修繕積立金の支払い義務が生じます。
廊下や階段などの共用部分の維持管理に権利と義務が発生するのです。その管理組合の運営の基本となるものが管理規約です。
しかし、管理規約や管理組合の体制または管理委託先などにはほとんど興味や関心を示してないのが現状です。
更に加えて売買契約書や重要事項説明書に対しても、売主に一方的に有利になっていないか、などは判断基準から欠落しています。
大手だから、変な契約内容になっていないだろうというような性善説に立ち、また、実際に契約書や重要事項説明書を読んでも一般の方がその内容を理解するのは難しく、何となくまあ大丈夫だろうということで契約書にサインしていると思われます。
ところが、必ずしも、大手だから良心的だとは限りません。
実際の例として、最近小倉北区で分譲されたマンションでは、売れ残り住戸の管理費や修繕積立金を負担していませんでした。
この事例を管理費だけにしぼって考えてみましょう。(分譲マンションの場合は、管理費不足より長期的にみれば、修繕積立金不足のほうが影響は大きいと思われますが)
このことを当初より売買契約書や重要事項説明書に盛り込み、購入者への説明はあまり行わずに購入者全員から署名捺印を得ていました。
どういうことかというと、マンションでは分譲・賃貸にかかわらず、共益費や管理費というものが、月々必要になり、入居者はこれを負担しています。
共用部分の維持管理の費用として必要なものなのです。
廊下や階段部分の照明器具の電球取替えだったり、この電気代、あるいはエレベーターの保守点検費、また、管理員さんがいれば給料、共用部分の清掃費などの経費に充当されるものです。
分譲マンションの場合で、完売し全員が入居すれば、管理費などもきちんと毎月予定した額が支払われていくのですが、世帯数100戸の分譲マンションで10戸か20戸売れ残った場合、予定していた管理費がその分不足してくるという事体が発生してきます。
このような時には、次の3つの解決法が考えられます。
まず第1は、入金されてくる管理費でまかなえるだけの管理を行う。
つまり、週5回掃除に入る予定だったのを3回に減らす・管理員さんの勤務時間を短くするなど、管理サービスの質・量を減らす方法。
第2に、現在入居している人に、不足分を負担してもらう。すなわち、管理費負担がおおきくなる。そのかわり、当初予定通りの管理サービスは受けられる。
第3に、売主である不動産業者が負担する。
この方法だと、当初予定されていた管理サービスが、管理費負担が大きくなることなく、入居者からすれば1番望ましい方法です。
ところが、上記の例では売れ残り住戸の管理費は売主は負担しないとはっきり記されていました。
このように、まだ売れてない住戸がある場合の管理費の扱いについては、国土交通省において、売主である不動産業者が負担する事が望ましいと指導しています。
しかし、この指導には、強制力やいわんや罰則はありません。
民法でいうところの私的自治の原則の基づき、その契約が公序良俗に違反しないものである限り、当事者双方の合意あればそれでよろしいということになっています。
そこでこの例のようにまだ売れていない住戸の管理費や修繕積立金は、売主において負担しないという契約内容も有効となります。
ほとんどの不動産業者は、このような場合には不足管理費は売主が負担しています。
しかしまれにこの例のような法律違反ではないにしろ悪質な業者も存在します。
もし上記の場合で、「売れ残り住戸の管理費は売主が負担すべきであるし、またほとんどの業者はそのように負担している」ということを事前に購入者が知っていたら、このマンションを購入していたでしょうか?









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