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マンション管理士の独り言・・・874

マンション管理士の独り言…874

「瑕疵担保責任」

瑕疵とは隠れたキズを指します。売主、買主双方ともに完全なものと思って引き渡したけれど、その後キズや不具合(瑕疵)が発見されるってことは、あってはいけないけど、商取引の上では起こり得ることです。
この様な場合、民法ではその瑕疵(隠れたキズ)が発見されてから1年間は売主は、契約解除か損害賠償の責任を負わなければならない、って決められています。

しかし、いつ発見されるか分からない状態で、発見後1年間も責任負わされちゃ大変だ、という事で、宅地建物取引業法では、発見されてから1年というのを引き渡し後2年とすることが認められています。
すべての不動産業者さんは、この引き渡し後2年という期間を瑕疵担保期間として設定しています。
更にこれだけじゃ消費者保護の立場からは不十分だろうってことで、建物の構造上主要な部分と雨水の侵入を妨げる部位については10年の瑕疵期間としています。(住宅の品質確保に関する法律:品確法)

反対に建物の構造上主要でない部分や雨水の侵入を妨げない部位は、10年の瑕疵期間とはならず、2年です。
実務上は、外壁は主要構造部ですが、その上に貼り付けられているタイルは主要構造物ではないとされ、剥落して大事故につながる可能性があっても2年です。
また、屋上防水は雨水の侵入を妨げる部分に該当しますが、品確法では雨水の侵入は部屋内に限られていますので、仮にバルコニー天井(上裏)から水が漏れてきても部屋内でないため同法の適用とはならず、2年を超えていれば瑕疵期間外とされます。
これを知ってか、最上階の部屋の上の防水には十分気を配った仕様になっているのに、開放廊下上の防水仕上げは簡単に安価に済ませている売主さんが存在します。

外壁にタイルを貼っていないマンションなどありません。要は外壁を含め共用部分に関しては2年の瑕疵期間と思わなきゃならないってことです。
上宮タワーマンションでは、外壁が落下したのが築後7年目で2年の瑕疵期間を大幅に過ぎていますが、管理組合はそもそもこの2年間というのが短すぎるって争うようです。
不法行為ならば20年というのが区切りですが、20年間も保証させるというのでは、あまりに業者に過酷すぎるという意見もあり、裁判所はあまり構築物に関して不法行為を認定しないようです。
マンション購入者は専有部分の瑕疵はとても気にします。(そのおかげでつぶやき主は内覧会同行のご注文をいただけますが・・・。)
2年点検についても専有部分には大いに関心があるようですが、共用部分については無関心です。本当は共用部分にこそ気を配らなきゃなりません。
瑕疵担保期間が切れる2年のうちに共用部の劣化診断を行うべきです。
そこで瑕疵があれば、売主の責任と費用で補修されます。
瑕疵がなければないで、安心です。

しかし「言うは易し、行うは難し」です。
2年目の理事会さんが第3者へ劣化診断を発注する、なんてことに気が付くわけないし、議案として総会に提案するわけありません。
本来なら管理組合の利益のためにアドバイスすべき管理会社さんは、売主と資本関係にあったりしますので、売主が責任追及される恐れがあることを助言するわけがありません。

瑕疵担保期間の切れる2年のうちに共用部分の劣化診断をすることをお勧めします。



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