マンション管理士の独り言 ・・・6

2008年8月26日 ☀
前回までの5回で、売主により売買契約書などの重要書類の内容が異なり、明らかに売主が一方的に有利になっているものもある、ということをつぶやいてきました。
今回は駐車場について、です。
通常マンションの駐車場は、マンション管理組合と使用契約を結ぶことにより使用でき、その使用料は管理組合に入り修繕積立金に充当されるとなっています。
この駐車場を分譲駐車場として売り出す売主を見かけます。
これをやられると管理組合は困ります。
駐車場使用料が管理組合に入ってこなくなり、その分修繕積立金が不足することにつながります。
そこである管理組合が売主に対して、分譲駐車場として売り出し、取得した金員を管理組合へ返せと訴訟を起こしました。
第1審では、管理組合の請求が認められました。
その内容は、「売主は管理組合が設立されるまでは、管理組合を代行しているに過ぎない。
したがって管理組合が発足すれば、駐車場分譲代金を管理組合に返却しなければならない」。
これを不服として売主が控訴しました。
第2審では、一転して管理組合の請求は認められませんでした。
その内容は「分譲駐車場の件は、売買契約書に記載され、分譲駐車場を買わなかった区分所有者であっても、分譲駐車場があることは知っていた。さらにその分だけマンション分譲価格が割安になっている事も知っていたので、その限りにおいて利益を得ている。したがって駐車場分譲価格は管理組合に返却しなくてよい」。続いてこうも述べています。「このような分譲駐車場という販売方法は、後々問題が発生することが考えられるので、行政でも好ましくないと指導している。売主はこのような販売方法をとるべきでない」。
このように分譲駐車場方式は、いろんなトラブルが頻出しています。