マンション管理士の独り言・・・1056

マンション管理士の独り言・・・1056

「くどいようですが、エレベーターメンテナンス」

つぶやき足りないので、エレベーターメンテナンスについて、もう少し・・。
以前メンテ会社について、メーカー系と独立系についてメリット、デメリットを呟きましたが、結論から言うと、つぶやき主はメーカー系をおススメします。

複数基あって、1基が停まっても他の基で目的の部屋へ行くことができるのならば独立系への変更は大いに結構ですが、1基しかない、或いは複数基あってもその基が停まれ他の基では代用が効かず目的住戸へは階段を利用するしかないというのならば、メーカー系の方が絶対に良いです。
独立系でも修理は出来ます。しかしメーカー系に比べ修理に要する時間がかかります。
ここが肝です。独立系でも修理はできますが、修理に要する時間がメーカー系よりかなりかかります。独立系メンテ会社の方はプレゼンテーション時に、“多くのメーカーの部分はストックしている。それがもし切れた時は空輸して対応します”と異口同音に言います。
確かにそれは事実です。しかし空輸となると時間がかかります。この時間がかかるという事を多くの方はわかっていません。
5階以上の中~高層階にお住まいの方からすれば、修理に要する時間が1時間違っても生活には大打撃です。
メーカー系の方が、部品供給や補修までの時間が短いというのは、当たり前の話です。
そうなったときの責任なんて負えませんから、キャリアのある管理会社やマンション管理士は独立系のメンテ会社への変更なんて言い出しません。

メーカー系が良いという理由はもう一つあります。
度々停止し、その都度修理に時間がかかるとなれば、“やっぱりメーカー系へ戻そう”って話になります。
しかし一旦独立系メンテ会社となっていたものをメーカー系へ戻す際には1基当たり600万円超の費用を請求されます。
“600万円を支払ってまで、メーカー系へ戻すのか?”“そもそも何故独立系に変更したんだ“と総会が紛糾します。
低層階へお住まいの方はメンテ費用の安い独立系がいいのに対し、中高層階にお住まいの方は、修理時間が長いと死活問題ですからメーカー系がいいとなり、下手をすれば組合員の中で意見が真っ二つに割れて大紛糾します。
また、独立系への変更を主導した役員さんにも大バッシングが起こります。

小倉北区のマンションで同様のことが起こり、訴訟にまで発展したことがあります。
つぶやき主は、弁護士とともにこの問題の解決のために奮闘したことがありますから、内情は誰よりもよくわかっています。

以前西日本新聞が、エレベーターリニューアルについて“特命発注はおかしい”と数日にわたって特集記事を組んだ際に、専門家として意見を求められ、その意見が大きく記事掲載されたことのあるつぶやき主が言うことに間違いはありません。

メンテ方法には、フルメンテナンスとPOGという2つがあります。フルメンテナンスというのは文字通り全てのメンテを行う契約のことです。これに対しPOGというのは、パーツ(P)、オイル(O),グリース(G)の点検は行うが、例えば非常用バッテリーの交換などはその都度費用が発生するという内容になっています。

メーカー系のフルメンテをPOGへと変更するのならまだ一考の価値ありますが、メーカー系から独立系への変更は危険がいっぱいです。