マンション管理士の独り言・・・1208
「タイル剥落の破壊力」
外壁タイルが剥落しました。
下に停めてあった車両3台に被害が及びました。
そのうちの1台はボンネットに穴が開くほどの衝撃です。もしこれが人にあたっていたらと思うと背筋が凍ります。つくづく人に当たらなくて良かったな、です。
3年前の台風15号による中間マンションの被害車両13台、そのうち5台が全損に比べればまだマシでしたが、外壁タイルの剥落には手を焼きます。
中間マンションの時は、管理会社さんでは手に負えず、つぶやき主が夜討ち朝駆けで13名の方と示談交渉を行うと同時に、何度も総会を開催し損保会社との交渉や積立金の解約などを決議したものです。
タイル剥落の破壊力は、車両に及ぼす損害等の物理的なものだけでは済みません。
それ以降の諸々の手配がとても大変です。
剥落せずに何とか外壁に貼り付いているタイルを横から見ると空洞になっていて、今にも落ちてきそうです。
バケット車を手配して落ちそうなタイルを剥ぎ取らなくてはなりません。
剥ぎ取った部分には雨水が侵入してこないようにシールも打たなければなりません。
また、タイルが落ちて車両損害を被った住民への報告や、修理の依頼、損保会社との打ち合わせも必要です。
何とか貼り付いているタイルも何時落ちるかわからないので、近接車両には移動をお願いしなければなりません。移動先の確保も必要です。
移動に際しては、有料パーキングを利用してもらうしかありませんが、その費用については取り敢えずご負担いただいて後日清算と言う方法を取らざるを得ません。
管理会社さんはどこもたとえ少額でも現金は扱わないというのが一般的ですから、清算方法についても検討が必要です。
移動車両が多ければそれだけ清算その他手続きが大変です。
バケット車手配と同時に、バリケードを作って立ち入り禁止としなければなりません。
この際、地上に落下したタイルの破片はそのままにしておくのが一般的なノウハウです。
バリケードだけだと、臨場感がなく特に子供さんが立ち入ってしまいます。
これを防ぐために落下したタイル破片をそのままにしておくと、危ない感がより強く打ち出され立ち入ることの抑止力に繋がります。
ただし何時までもタイル破片をそのままにしておくと、住民さんから「何時までもタイル破片をそのままにしておいて、みっともない」なんて声が上がることがありますので、適当な時期に片づけることが必要です。
タイルが剥落すると、車両などへの直接的な被害も甚大ですが、それ以上に車両移動の手配、立ち入り禁止ゾーンの設定など後始末が大変です。その夜予定していた打ち合わせなどは吹っ飛びます。
もうちょっとキチンとした施工しとけよ、です。