マンション管理士の独り言・・・1400

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「委任状」

都合つかず総会に出席できない、でも組合員として年に1度議決権を行使したい、って時は、予め配られた議案書を見て、第1号議案賛成、第2号議案反対という具合に書面により議決権を行使する方法と、他人に委任する方法とがあります。

以前は、書面行使を採用すると総会への実出席が減るという理由で採用していない管理組合さんや管理会社さんもありましたが、最近では見かけなくなりました。

書面による議決権行使も委任状提出のどちらも総会参加者と見做されます。

稀に議決権行使書面と委任状のどちらも提出する人が見られますが、この場合は書面議決権を優先します。他人に委任するよりも自分の意思が反映されているってことです。

誰に委任できるのか?について標準管理規約では、改正の都度頻繁に見直されています。

平成16年版標準管理規約では、代理人要件を、①その組合員と同居するもの ②その組合員の住戸を借り受けたもの ③他の組合員 ④他の組合員と同居するものの4パターンでした。

組合員が“つぶやき主さんはマンションに詳しそうだから自分の代わりに出席して”って依頼されても参加はNGでした。

ところが平成23年になると、代理人の要件は撤廃されました。誰でもOkです。

しかしコメントでは、その組合員の意思が総会で反映できるような人が望ましいとされています。この規定ならばつぶやき主は総会に参加できます。

続いて平成29年の改正では、代理人要件は、①その組合員の配偶者(事実上婚姻関係にあるものを含む)または一親等の親族 ②その組合員の住戸に同居する親族 ③他の組合員と規定されました。この規約ではつぶやき主は代理人になれません。

そして直近の改正版(令和3年)は、平成29年改正版を踏襲しています。

最近分譲のマンションではこの規定が主流を占めつつあります。

以前の管理規約ならば、その住戸の賃借人も代理人になれましたが、直近分ではなれないという扱いです。

建物の区分所有に関する法律(通称:区分所有法)に規定には2通りあり、この法律で決められていることを変えてはいけない、とする強行規定と、法律にはこのように定めているが規約や総会の決議で他のものに変えてもいいよ、という任意規定とがあり、代理人要件は任意規定とされており、標準管理規約でも頻繁に見直しがなされます。

合人社さんの規約では、代理人要件に「他の組合員」というのがありません。その組合員の住戸に住む配偶者や同居の親族に限定しています。組合員の意思を理解できている人に絞っているわけです。

しかし「他の組合員」がないってことは理事長に委任できないってことです。

これは大変です。

総会前にフロントマンは、議決権行使書を提出するように電話かけまくり状態です。