マンション管理士の独り言・・・1401
「管理組合の常識は世間の非常識」
マンションを購入すれば法律上当然に管理組合員になります。では何故、管理組合があるのでしょう?
マンションを購入すれば、買った住戸の専有部分の他外壁や廊下階段などの共用部分と敷地との共有持ち分をも同時に取得することになります。
そのマンションを買った他の全ての人と共有関係になるわけです。
見たことも会ったこともない全くの赤の他人である他の購入者と共有関係になって共用部分や敷地の維持管理メンテナンスを行わなければなりません。
その管理の主体がマンション購入者全員で組織される管理組合というわけです。
ところが最近の管理規約では、「マンション引き渡し時に存在する管理組合が唯一のモノであって、他の管理組合を作ろうとしてはならず、また他の管理組合に加入してはいけない」という規定をチラホラと見かけるようになりました。
管理組合は1つのマンションに1つとは限りません。
例えば店舗併用の小倉DCタワーなどは、店舗管理組合・住宅管理組合・全体管理組合と3つ存在します。
1つのマンションに1つだけですよ、っていうのは住居専用マンションに限ってのことです。
しかし、1つのマンションに1つの管理組合ってなんだか一党独裁の中国や北朝鮮みたいな感じがします。一党独裁というのは他者の意見を聞かないという面と我々が常に正しいんだ、という2つの側面があるようです。
日本はじめ民主主義国家では、健全な(?)野党があることでもわかるように、少なくとも反対意見や少数意見を聞こうとする意欲は見られます。
これら民主主義国家から見れば、一党独裁の中国や北朝鮮は独善的・うぬぼれ過剰な国に見えてしまいます。
翻って管理組合が常に正しい判断や道筋を示しているのかって言うと、必ずしもそうでない場合もありそうです。
仮に一つの住居専用のマンションに2つの管理組合があって、それぞれの組合が互いに切磋琢磨し、区分所有者はどちらが自分の利益や資産価値の向上に資する組合かを考えて、加入するというようになれば管理組合活動はもっと活性化するかもしれません。
管理組合を複数というのはいきなりは無理にしても、理事会は2つくらいあってそれぞれが予算案や事業計画を提案しあうっていうのはいいかもしれません。
議決権に関し区分所有法では、購入した住戸の面積に応じて付与されます。
これを標準管理規約では面積差があまりないものについては同じく1票としても良いってしています。
面積差があまりないとはどの程度かについては、1,5倍くらいまでというのが多数説ですが、市内マンションでは面積差が3倍近くあっても同じく1票としているところが多々見られます。
この議決権にしても、公職選挙法と同じように20歳以上は皆同じく1票とすれば簡単なのにって思っちゃいます。つぶやき主のように消費税くらいしか負担していない貧民と高額納税者とが同じく1票なのが公職選挙法です。
民法の共有の概念からすると購入面積に応じての議決権付与となるのでしょうが、実務的には面積差に関わらず同じく1票という組合さんが多いというのが実感です。
真夏の世の夢 でした。