マンション管理士の独り言・・・1403

マンション管理士の独り言・・・1403

「不公平なマンション」

不公平なマンションというより、マンションは不公平です。

標準管理規約をベースにつぶやきます。管理費の負担について第25条2で“管理費などの額については各区分所有者の共用部分の共有持ち分に応じて算出する”と規定されています。更にコメントでは①使用頻度などは勘案しない、と付言されています。

この規定の元となる区分所有法第19条は、“各共有者は規約に別段の定めがない限りその持分に応じて共用部分の負担に任じ、~”とあります。下線部より規約で異なる定めをすることができる、任意規定です。

標準管理規約で見ると1階150㎡購入者は、8階50㎡購入者の3倍の管理費を負担しなければなりません。共用部分の共有持ち分が3倍あるからです。

廊下階段や外壁タイル、屋上防水設備なども3倍の持ち分があります。

そのほかエレベーターや給水ポンプなど共用設備についても3倍の持ち分があります。

3倍の持ち分があるから、その維持管理メンテナンス費用もそれに応じて負担しなさい、って考えです。

しかしそれらを補修する際には3倍負担もわからなくはないですが、日常の使用に伴う管理に関し、3倍負担は腑に落ちません。

1階住戸ですからエレベーターは使用しません。

8階住戸は6人家族で、頻繁にエレベーターを利用します。

また1階住戸は給水に関しポンプがなくてもカランを開けば浄水所との高低差もあり水はでます。8階ではポンプがなければ給水されません。

6人家族ですからポンプも頻繁に稼働させています。

このエレベーターには角部屋(住戸前を人が通らない)を増やすためにエレベーターが4基ついています。

このエレベーターのメンテナンス費用が月額28万円かかっており、これは各戸が負担する管理費の4分の1に相当します。(実際の戸畑とあるマンション実例)

また25年目くらいにはエレベーターもリニューアルが必要でその際には1基約900万円で合計3600万円もの支出となります。

給水ポンプもオーバーホールや20年目くらいには取り換えなければなりません。

これら設備のメンテナンス費用を8階の住民は負担するのは当たり前ですが、1階住民が負担するのは理にかなっていません。

もっと言えば8階に住む6人家族と2人家族とではエレベーターやポンプ使用頻度が大きく異なっているはずです。水道や電気料金は使用した分だけ負担しますし、下水道料金は頭数も計算対象になっています。非常に合理的な算出方法です。

これについては裁判にもなっています。1階購入者が、「エレベーター使用しないのに、その維持管理費を負担するのはおかしい」って主張です。しかし認められませんでした。

「1階住民であっても屋上に上ることはあるでしょうし、上階のお宅を訪問することだってあるでしょう。またマンションを売却する時にエレベーターがあるっていうのが資産価値も高めているって一面も考えられます。」って判断でした。

ちょっと苦しい。

1階住戸なのでエレベーターを使用していない、ポンプも必要ない、それでも住戸面積が大きいからという理由だけで3倍の管理費・積立金を負担している。その管理費の4分の1は使用していないエレベーターメンテナンス費に支出されている。3倍の管理費負担していても管理会社から3倍のサービスを受けているわけでもない。しかも議決権は同じく1票。

これっておかしくね~。です。