マンション管理士の独り言・・・1419

マンション管理士の独り言・・・1419

「常時閉鎖型防火戸」

分譲マンションには、多くの方が住んでいますし、不特定多数の人の出入りがあります。

それ故にもし分譲マンションで火災が発生すると大惨事になりかねません。

そこで分譲マンションは建築基準法で「耐火構造物」でなければならないとされています。主要構造部は火に一定時間耐えうる耐火構造となっていますが、中に使っている部材についても火に強いものでなければなりません。玄関ドアもそうです。

もしその住戸で火災が発生しても、玄関ドアを閉めていれば廊下階段へ類焼延焼しないように、お隣さんへ火が燃え移らないように鋼板製のドアを使用することが義務付けられています。

この玄関ドアは開けっ放しに出来ないものでなければなりません。専門用語では常時閉鎖型防火戸と呼称されます。

常時閉鎖型防火戸とは、人が意図的に開放している時だけ開放されますが、それ以外では常に閉鎖されている構造の防火ドアです。

また、常時閉鎖型防火戸は最大まで開放したとしても自動的に閉まる仕組みで、開放状態でロックされないことも特徴です。防火性能は20分の耐久性を有する必要があります。

防火ドアの役割は、建物内で発生した火災による煙や炎を一定の区画で防ぐことです。

また、火災が発生した建物から隣接する建物に延焼することを防ぐ目的もあり、火災を一定区画で食い止めるという非常に重要な役割を持っています。

ですから新築マンション引き渡し時には、ドアを開けっ放しにできるドアストッパーや延焼の可能性がある網戸などは設備されていません。

これらを設備すれば建築基準法違反で、したがって竣工検査に通らなくなってしまいます。

しかし、ドアストッパーや玄関部の網戸はあれば非常に便利なので、引き渡し後設置しているご家庭を沢山見かけます。

これらは厳密に言うと建築基準法違反なのですが、どこの管理組合でも暗黙の了解で、大目に見ているのが現状です。

玄関ドアを取り換えました。現在のドア枠の上に更に枠を被せるという“かぶせ工法”です。

玄関ドアは共用部分(共用の専用使用部分)なので管理組合主体で取り換え作業を行いますが、施工業者さんより“今まで玄関ドアにはドアストッパーが付いていた。新しいドアにはストッパーがついていないので開けっ放しする際に不便だ。取り付けてほしい”という声が多く寄せられ困っています、という報告がなされます。

一軒一軒、つぶやき主がご説明します。「堅い事言わないの。融通が効かないな」などと言われますが、管理組合がストッパーを付けるわけには行かないことを理屈立てて説明しご理解をいただくしかありません。

そして「じゃ、施工後自分で付ける。ホームセンターに行けばマグネットタイプなど安価なものが売ってるし」です。

あればとても便利なので、付けたい人は付けるに決まってます。こんなことは初めから分かりきっています。

それでも、一応は管理組合としてマンション管理士として“ダメ”って言わなきゃです。

時間割いて何やってんだか、です。