マンション管理士の独り言 ・・・7

2008年8月27日火曜日 ☂
今回も前回同様、分譲マンションの駐車場について・・・ボソッボソッと。
よく駐車場使用料無料というマンションを見かけます。
前回のおさらいですが、駐車場使用料は、駐車場そのものの管理(白ラインの引き直し、駐車場の清掃、機械式ならばメンテナンス費用など)に使われて余りあれば、修繕積立金に充当されます。
機械式駐車場ならば1パレット年平均15,000円程度のメンテナンス費用がかかります。
使用料が全く入ってこないので、このメンテナンス費用は管理費から支出しなければなりません。
平面平置き駐車場の場合でも、メンテナンス費用は発生しないものの本来、修繕積立金として積み立てられるべきものが積み立てられていないという結果になります。
中にはそれを見越して適正な管理費体系や長期修繕計画を立案している売主もあるのですが、購入者の毎月の支払額を低く抑えて売り易くするために、管理費や修繕積立金を低く設定し、更に駐車場使用料タダというのを売り物にしている売主が多いようです。
管理費や修繕積立金、更には駐車場使用料というのは、決して安ければいいというものではありません。適正な金額が必要です。
安ければ、入居後の近い将来に、必ず値上げがありますし、もしなければ大規模修繕工事の際に修繕積立金が不足し、何十万円という大金を一括手出しということなるのは日を見るより明らかです。
何十万円も一括しては支払えないという区分所有者が多数いれば、総会で4分の3の多数が得られずにいつまでたっても大規模修繕に手をつけられないマンションということにもなりかねません。
そうなれば、居住性はもちろんですが、資産的にも価値が下がります。キチンとした長期修繕計画案の裏づけなしに、売らんがために安易に駐車場使用料をタダにしている売り方には疑問を覚えます。