マンション管理士の独り言・・・「これって、どう思う?」

本日付け(7月27日)朝日新聞朝刊社説に、「エレベーター事故 総合的な調査の仕組みを」という記事が掲載されています。
3年前に東京で発生した、扉が開いたまま動き出したシンドラー製エレベーターに挟まれて高校生がなくなった事故のことです。
この事故で、東京地検は同社と保守管理会社を起訴しました。
起訴状ではこの事故の2年前にも同様の事故が生じていたにも関わらず、管理会社に報告していなかったことや、日常の保守点検もずさんだった点を指摘しています。

そしてタイミングよく国交省では、「エレベーターの保守管理等に関する実態調査」を発表しました。

回答した会社は、メーカー側(系列保守会社含む)は、三菱電機・日立製作所・東芝エレベーター・日本オーチス・フジテック・シンドラーエレベーターの6社。
独立系保守会社は、エスイーシーエレベーター・ジャパンエレベーターサービス・阪神輸送機・日本昇降機・京都エレベーター・自強輸送機の6社。
問い① 昇降機検査資格者と保守管理台数について
メーカー6社は非公開。  独立系の方は6社中5社が回答しています。
問い② フルメンテナンスとPOG契約の割合
 メーカー6社は非公開。  独立系は6社中4社回答。

さらに製品の不具合情報について、メーカー系は、「所有者には通知するが、独立系保守会社には通知せず、一般にも通知していない」。
車の不具合の場合には、リコールという制度があるが、「エレベーター業界とは多くの点で異なるため適切でない」とリコール制度導入には否定的な態度を見せています。
また、独立系保守会社への部品提供の価格が、自社系列の保守会社へ提供する価格より割高になっていることについては、「在庫管理コストは、保守契約料金で回収しているので、契約のない注文者へは在庫管理コスト分を上乗せしている」と正当化しています。

何度もエレベーターによる人身事故が発生し、死亡者まで出ているのに、質問に対しても消極的だし、リコール制度導入にも反対とは・・・
ちょっと呆れてしまいました。
皆さんどう思います?