マンション管理士の独り言・・・・・・872

「もう少しタイル剥落訴訟」

北九州でもタイル剥落問題がないのかといえば、あります。
前回の独り言でつぶやいた北区マンション以外にもタイルが剥落して管理組合との間でトラブルになった例は存在します。
そのどちらにもつぶやき主が関与しているから売主さんや施工会社さんは、つぶやき主が煙たくて、煙たくて、状態でしょう。
関与していますが、言うまでもなく管理組合の立場に立って売主サイドと喧々諤々のやり取りです。

今回のアパタワーズ神戸三宮や北区のマンションは、5㎝×20㎝程度のタイルやその塊でしょうが、北九州でよく剥落するのは30㎝×60㎝の大判タイルですから困っちゃいます。
見かけが豪華になるので、エントランス周りなどによく使われます。
このような大判タイルが剥落し、もし通行人にでも直撃すると大怪我になっちゃいますから、貼り付け時には慎重の上のも慎重を期さなければなりません。
通常はこのような大判タイルを貼るときは、コンクリート外壁面に金具を取り付けてフックのようなもので大判タイルを引っ掛けて剥落防止とします。
金具で留めていますから剥落することはまずあり得ません。大丈夫です。

ところが経費削減か、或いは工期短縮か、大判タイルなのに金具を設置していないマンションが至る所にあります。
大判タイルなのに金具を使っていないのは、施工不良や不法行為というよりも犯罪に近い気がします。
大事故にならなきゃいいなと思っています。

また金具を使っていない大判タイルは大規模修繕時に補修できません。
貼り替えるしか手がありません。
パールハンマーで叩けば真ん中あたりは、コンコンとタイルが浮いている音がします。
接着剤をタイル裏足に全面塗布しておらず、四隅と真ん中の5点接着貼りです。
したがって接着剤分だけ(約1㎝程度)外壁面から盛り上がっています。
接着剤を塗布していない部分ではタイルと外壁には接着剤分だけ空気の層があるので、コンコンと浮いている音がします。
ではこの空気の間に接着剤を充填することが出来るかというと、そんなことは出来ません。
タイルと外壁の間が1センチもあるのに接着剤を目地の部分から差し込んで充填するなんて不可能です。
浮いたタイルの補修で目地部分から接着剤を充填できないときは、タイルそのものにピン打ちをします。
残酷な言い方ですが、脳天打ちです。マードックおじさんのパイルドライバーみたいなやつです。

しかし大判タイルでタイルと外壁の間が1センチあり、タイルの厚みが5mmという状況では脳天打ちも出来ません。タイルが割れちゃいます。いかなマードックおじさんでもお手上げです。
大規模修繕工事時には、大判タイルの補修で頭を抱え込む管理組合が沢山出てくることが予想されます。もちろんそれだけ費用もかさみます。

ウチのマンションは大丈夫だろうか?って
平成27年以降のマンションならば大丈夫です。金具を採用するようになりました。
それ以前に竣工したマンションは、・・・・・・・。