マンション管理士の独り言・・・1000

マンション管理士の独り言・・・1000

「理事長でなくなった」

小倉北区のマンションです。
築40年が過ぎ、実際のマンションライフと管理規約とが合わなくなりました。
そこで第2回目の管理規約の改正を行おうとなりました。
つぶやき主にも管理規約改正のご依頼がありましたが、分譲駐車場はあるは、勝手に駐車場をつぶして部屋にしているは、共用部に勝手にプロパンガスはおいているは、床コンクリートを貫通させて配管しているは、でとても手に負える案件ではないと丁重にお断りしました。
教科書通りの規約改正ならすぐにでも出来ますが、やはり現在の管理状況や、共用部分の使い方、マンションライフのルールなど現況を反映したものにしなければ絵に描いた餅になってしまいます。
その現状認識と問題点の抽出だけでも、大変な作業になることが容易に想像できたからです。

それでも、お受けしたマンション管理士があり、先日説明会が実施されました。
“説明会を開催するので、多数の参加をお願いします”と組合員を招集したのは勿論理事長です。
この理事長さんは区分所有者ですが、その住戸には住まず、賃貸として貸している、いわゆる不在区分所有者です。このマンションの管理規約では不在区分所有者であっても、理事長に就任できます。

この理事長さんは以前より、所有している住戸を売りたいと言われていたようで、実際に売却を不動産業者さんへ依頼もしていたようです。
そして、売れた(決済が終わった)のです。売れたのは説明会の2日前です。
売れた(決済が終わった)=買主さんへ所有権が移転してしまっているので、説明会時にはもう区分所有者でもなければ組合員でもありません。当然ですが理事長でもありません。
このことを知った副理事長さんが、突然に事態に驚き、理事長さんへ電話しました。
「理事長が組合員でなくなったりして欠けたときは副理事長が理事長職を勤めるってなってるじゃん。いきなりそんなことを言われても困る。せめて3日後ならば、説明会時には理事長だったのに」に対し、「貴方は何も心配しなくていい。私が出席して司会などをキチンと勤めるから」と言われたそうです。

何となく腑に落ちず、納得も出来ない副理事長さんがつぶやき主に相談してきました。
「組合員でない方は理事長でもなく、出席なんか出来ませんよ。しかし印鑑などの引継ぎもありますので、会場には来てもらってはどうでしょう」とアドバイスしました。
説明会にはオブザーバーとして参加してほしいとのご要望もあり、つぶやき主も出席しました。

この前理事長さんのあまりに無責任な対応に副理事長以下組合員さんが、一言文句をいってやろうと待ち構えていましたが、勘のいい前理事長さんはその前に来場し、ちゃっかり他の役員さんへ印鑑などを預け、そそくさと会場を後にしていました。

管理規約改正の説明会は定時になり開始されましたが、請け負ったマンション管理士さんも唖然としています。
今まで前理事長さんと打ち合わせを行い、もう既に15回も規約改正の検討会を実施してきたのに、梯子を外された格好です。
「前の理事長さんと打ち合わせた結果はこうだった」と説明すると、前に理事長さんに対してアレルギーを持っている組合員の反感を買うという結果になってしまいました。
お気の毒です。

10年近く前に臨時総会を開催し、総会当日招集者である理事長さんが、文句を言われるのが嫌だから総会に参加しないって欠席したことがありました。
委任状などは理事長さんが受任者になっていますし、何より招集者が来なくては総会は成立しません。仕方なく流会とした記憶がよみがえりました。

いろんなことがあるものです。

今回で記念すべき1000回目です。いろんなことがあるので、つぶやき続けられます。
イチローの現役引退や天皇陛下の即位などはつぶやき主の1000回を考慮したものとは思えません。