マンション管理士の独り言・・・1008

マンション管理士の独り言・・・1008

「82、87、88歳」

4月は総会ラッシュでした。
5月の通常総会が目前なのに臨時総会を開催しなきゃならなくなった管理組合さんもありました。
理事長が自宅を売却し組合員でなくなったので、副理事長が理事長職を引き継ぎましたが、心労などが重なり入院され、職務を遂行することができなくなったのです。
副理事長までが理事長職を執行できなくなるということを規約では想定していません。
つまりは理事長不在となってしまい、5月の通常総会まで理事一人という事態に陥りました。
この状況を打開するために5月総会までという短い期間ですがその間の理事長専任のための臨時総会まであったりしました。

そして多くの理事長さんが誕生しました。
そのうちの3人の“ピッカピカの一年生理事長さん”の御歳が82歳、87歳、88歳なのです。
別に立候補したわけではありません。
役員さんの間の話し合いで決まったり、話し合いでは決まらないので、アミダくじで決まったのです。
3人とも猛烈に反発しました。
“この年齢で理事長は無理だから誰か代わってほしい。”“もう字も読めなくなってきている”“任期途中で死んでしまうかもしれない”などの切実な訴えです。
他の役員さんの中にはつぶやき主が見ても、“貴方ならお若いし十分できるでしょ”って方が大勢います。
ですが、絶対に“仕方ないですね。私が代わってあげましょう”とは言いません。
皆さん口を閉ざすか、たまに口を開いても、“皆で協力しますから大丈夫ですよ”“つぶやき主さんがいるから大丈夫ですよ”です。
かくして、82歳、87歳、88歳の“ピッカピカの一年生理事長さん”の誕生です。

総会後に88歳の理事長さんの奥さんが歩み寄られて、つぶやき主に“どうぞよろしくお願いします。主人を助けてあげて下さいね”って深々と頭を下げられました。
出来るだけお手伝いしなきゃ、です。

下関の管理組合さんからお声がかかりました。理事長さんから“高齢化が進んで自主管理を続けるのは難しい。力になってほしい”というものです。
ご年齢をお聞きしたら、89歳とのことです。
他の組合員もほとんどが80歳超えとのことです。
今までよく頑張りました・・・、です。

どこの管理組合でも高齢化が進んでいます。前回(平成25年)のマンション総合調査では、世帯主が60歳以上という住戸が50,1%になっています。平成30年の調査ではもっと高齢化が進んでいるのは確実です。
一定年齢以上になったら、役員にならなくていいって規定を定めようと試みる組合さんもありますが、なかなか案がまとまりません。
建物の老朽化以上に、居住者の高齢化のほうが深刻かもしれません。