マンション管理士の独り言・・・1010

マンション管理士の独り言・・・1010

「共有になるということ」

私たちの日常のこまごまとしたことを法律でルール付けしたものが民法です。
おぎゃあと生まれたのが日本で、お父さんも日本人ならば、その赤ちゃんは日本人です。
赤ちゃんはゼロ歳なので、当然ながら未成年だし、意思能力も権利能力さえ持ち合わせていません。
自分で“日本人でいいよ”って意思表示できるわけないのに、日本で生まれたからには日本人で、日本の法律を守らなければなりません。“法の精神”“社会契約論”です。

その民法に所有権という項目があり、さらにその中の第3節で共有について規定されています。
民法第249条~第264条まで、なんと16条にも及んでいます。
“共有は紛争の母”なんて言われ、1つのものを2人以上の複数人、多人数で所有すると何かとモメちゃうので、民法で事細かに決めているのです。
民法はなるべくなら、紛争の起こりやすい共有状態を解消し、一人のもの(=単有)にしようとしています。

一般的に共有となるのは、身内であったり友達であったりで、知った者同士が共有関係になります。
相続が開始されると、遺産分割協議が整うまでの間、兄弟は相続財産を共有することになるなどが代表的な例です。
ほんのちょっぴりの財産をめぐって「泣く泣くも、良いほうを取る、形見分け」でモメルこともしばしばです。

また、友達間で自転車を購入すれば、使う順番や頻度、パンクした時の修理代金の案分方法、処分しようとする場合の多数決の取り方などでモメちゃって、みんなで自転車を買うほど仲が良かったのに、自転車を買ったが故に仲が悪くなったりします。
血がつながっていたり、仲が良い人の間でさえ、共有関係になると何かと上手くいかないのに、赤の他人が共有関係になるのがマンションです。

見たこともない、会ったこともない、話したこともない、年齢も違う、学歴も違う、社会的地位も違う、家族構成も違う、育った環境も違う、考え方も違う、収入も違う、好みも違う、嗜好も違う、という人たちで法律上の共有関係になるのがマンションです。
少し極端な言い方をすれば、モメる関係にわざわざ大金出して参加する、みたいなものです。

「ザサンパークシティ守恒」が好調のようです。志徳中学校の第1期生のつぶやき主とすれば、白鳥が泳ぎ、大きな鮒が沢山釣れた“権現堂”の時代から慣れ親しんできた場所です。
この場所に、ニチイが建って、ビックリしたのに、今度はマンションです。
田んぼばっかりで、怖いお兄さんに“たかられた”ことがあった場所だったのに、隔世の感があります。

今は学校区が人気なようです。お子さんの教育に関心が高い方が多いみたいですが・・。
マンションは、共有関係になります。
マンションライフのルールについて、管理規約や使用細則、長期修繕計画を通してもっと関心持たなきゃ、です。

まさか、長期修繕計画をもらってないなんて、あり得ないっす!!
長期修繕計画をもらってないことに関心示さず、学校区ばかりに関心あるなんて、あり得ないっす!!