マンション管理士の独り言・・・1023

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「管理会社変更」

管理会社変更コンサルタントのご依頼が立て続けに2件ありました。
どちらの管理組合さんも5月に開催された総会で、「管理会社変更について検討を開始する件」というのを報告しているとのことです。
これがまず大事です。直近の総会で「管理会社変更について検討を開始する件」を報告していないと、次の総会でいきなり「管理会社を現在のA社からB社へ変更する件」を議案上程することとなり、“そんな話聞いてないよ”“そんなこと理事会に依頼していないよ”って反発を喰らうことがあるからです。

管理会社変更には順序があります。まずは、組合員に対して「信頼おける管理会社募集のお知らせ」を行います。管理会社変更に限らず、業者を選ぶ場合には、まず組合員に対して募集を行わなければなりません。
その応募状況を見たうえで、少ないようでしたら、理事会や専門委員会で業者を補足するという手順になります。
“理事会などで勝手に見積参加業者を選んだんじゃないよ”って透明性・公開性確保が肝なのです。
その際、現在の管理会社さんにも参加いただくかどうかも決めなければ行けません。
つぶやき主の手元には、北九州に本店支店のある管理会社一覧表があります。
それらも参考にしていただき見積参加業者をリストアップしていきます。
北九州には独特の風土があり、北九州に支店などの活動拠点がないと受け入れられません。たった70キロ程度の福岡に支店があっても、「福岡から来るんじゃ、高くつくね」って言われちゃいます。

次は、現在の管理委託契約をベースにして共通仕様書の作成です。
見積に参加する業者さんがそれぞれ勝手な仕様で見積もられたら、出された金額には大きな開きが出てきて比較になりません。
管理人さんが午前中だけ勤務のA社と8時間勤務のB社では金額が違って当たり前です。
現在の管理委託契約の内容を変更して共通仕様書を作成するのは現実的ではありません。
照明器具の点灯時間を夜1時間長くするだけで、“無駄な経費”とクレームがつくのが管理組合です。管理委託内容の変更にまで手を付け始めると、深~い、深~い沼に入り込んでしまいます。
もし委託内容の変更を行うならば、新しい管理会社さんの下で、アドバイスを受けながら、組合員へのアンケートを実施するなどして変更することをおススメします。

そして現地説明会です。共通仕様書で、それぞれ異なった時間で行います。
管理会社さんが見積もるうえで必要な資料を用意しておくことも忘れてはなりません。
何が必要なのか?何故それが必要なのか?は、ちょっと専門的過ぎてつぶやいても分かんないでしょうから、そこは専門家にお任せ、です。
“見積に際しての費用は、支払えないからごめんね”も忘れないように言わなきゃ、です。

今回ご依頼のあった2つの管理組合さんでは6社と8社から見積を取ることになりました。
見積は、複数の役員さんのいる前で一斉開封です。事前に誰かが見ていると、変な小細工をしようと思えば出来ちゃうので、その防止です。
開封後、つぶやき主が比較検討表を作成し、次のプレゼンテーションへ進んでいただく業者さんの決定です。
プレゼンテーションでは、担当予定のフロントマンに来てもらって1社15分程度で行っていただきます。

そんなこんなで管理会社変更プロジェクトは1年がかりの作業になります。
プレゼンテーション以降の進め方についてはほとんど呟きませんでしたが、いろいろと差し障りがあるもので・・・。