マンション管理士の独り言・・・1024

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「“反対”できない委任状」

臨時総会議案書が配られました。委任状もセットされています。議決権行使書はついていません。
標準管理規約通りどこの管理組合さんでも「組合員は代理人または書面で議決権を行使できる」となっているはずで、こちらのマンションもそのようになっています。
しかし書面行使書を付けちゃうと、只でさえ出席率の低い総会参加者がなお一層低くなっちゃうということで、付けないところもあります。

その委任状の内容は、①出席する人は出席届を出してください。②委任状を出される方は受任者の名前を記して提出してください。受任者の記載のない場合は、議長一任とみなします。
③出席票も委任状も提出されない方は、議長一任とみなします。となっています。

ん、、、、なんか変だな?
出席者が出席届を出すのはわかる。これはOK。
委任状で受任者の記載のない場合は議長へ一任??
規約を見てみれば、議長は理事長が勤めるとなっています。
理事長はその議案提出者でその議案に賛成に立場です。
“この議案は管理組合員にとって良いことだから承認してね”ってスタンスです。
従って議長=理事長ならば、賛成票になります。

さらに、変だな?は、出席票や委任状も出さない人は議長一任です。
これって要するに何も出さない人の票は、議案に賛成の理事長へ委任だからつまり賛成票に回るって仕組みなの?です。
委任状や出席票を出さない人は、いつの間にか賛成票に取り込まれちゃっています。

これは可笑しいでしょ。沖縄で実施された住民投票で投票しない人は、賛成とみなす、なんてやらないでしょ。
受任者の記載のない場合や、出席票や委任状の提出のない場合は、棄権扱いとしなきゃ、です。その上で、定足数を満たし、出席者の過半数で承認としなきゃ、いけないでしょ。
その議案に反対の人は、総会に出席して反対票を投じるか、もしくは反対の組合員を探し出してその人に委任するかしかありません。
簡単に賛成票に組み入れられるのと比較して反対票を投じるのはとてもハードルが高いのです。
管理会社さんが何とか議案を通そうとする際に、ドサクサに紛れてこんなエグイことを仕掛けます。

出席票も委任状も出さない人は議長に一任というのは、そのことが裁判で争われると無効と判断される可能性が高いと考えます。
こんな姑息な手段を使わずに正々堂々と議案承認を目指さなきゃです。
理解を得るためにアンケート取ったり、何度も何度も説明会を開いたりして合意形成に努めることもせず、組合員をだますような手法を取ってはいけません。

こんな不埒な管理会社がまだ北九州にはびこっているから困ったものです。