マンション管理士の独り言・・・1042

マンション管理士の独り言・・・1042

「もしも、こんなマンションがあったら、partⅡ」

韓さんは相変わらず怒っています。理事会や小学校のPTAまで巻き込んで、太郎さんの悪口を言っています。
韓さんはバツイチで、奥さんとはそれぞれ連れ子がいての再婚同士です。
結婚当初は商売も上手くいって収入もそれなりにあり、家族円満でした。
しかし最近では、原材料の値段が高騰し、それらを加工した商品を卸していた韓さんのお店も売り上げが激減しています。
家に入れるお金が激減したので、奥さんや子供さんはいつもご機嫌斜めです。
また、上の子供さんは大学を出たものの、職にありつけず、いつも家でゴロゴロして日本のアニメばかり見ています。
たまに外出するときは、職にあぶれた者同士が集まって愚痴の言い合いばかりです。

来年度からお店の番頭さんに採用しようとしている人がいます。とても人当たりのいい人で当初は家族全員が大歓迎でした。しかし最近、商品を横流ししているとか、賄賂をもらっているとかの悪い噂が絶えません。このことも家庭内不和に拍車をかけています。

このままでは不満がいつ大爆発してもおかしくありません。そこで韓さんは家族内のストレスのはけ口として太郎さんに矛先を向けました。
“家族をこんな状態にしたのは全部昔自分をいじめた太郎さんのせいだ”“確かに一度はもう水に流そうと約束したけど、それで全てが終わったと思うのは間違いだ”“いじめたくせに、自分に奢ってくれなくなるのは、盗人猛々しい”などと家族に訴えます。
家族もその口車に乗り、“太郎さんは反省しろ。奢らなくなるということは撤回しろ”って大合唱です。

また何のいいがかりか、太郎さんの駐車場区画を勝手に使い、太郎さんが自分のものだから返して、と言っても、“自分が実効支配しているから自分のものだ”と強弁し返してくれません。
昔から太郎さんが使っていて太郎さんのものだという総会決議もあるのですが、独特の理論をかざして返してくれません。

太郎さんには全く理解できません。
奢らなくなるだけで他の人と同じような扱いをするだけなのに、上から目線で、昔いじめられたことといつまでも根に持ち続けてクドクド言い続けることにウンザリしています。
しかし隣人ですから、仲違いしたくないと大人の対応で韓さんが分かってくれることを待ち続けます。

このマンションの理事長のトランプさんと理事のシナさんとの仲がどんどん悪くなっています。
今まで絶対権力を持つ理事長として管理組合を差配していたのに、ここにきてシナさんが理事として発言力を増してきています。
今後もこのマンション管理組合を牛耳っていきたいトランプさんは面白くありません。
そこでトランプさんはシナさんが使用しているルーフバルコニー使用料を一方的に値上げしました。
理事会に諮るべきですが、理事長権限で実施してしまいました。
これに対し、シナさんはトランプさんが使用している専用庭の使用料を値上げしようと画策しています。
この提案には露さんが同調しそうです。
このままでは、第2管理組合が出来そうな雰囲気です。

仲良くなる必要はありませんが、管理規約・使用細則・総会の決議を守って生活しないとマンションは成り立ちません。