マンション管理士の独り言・・・1049

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「エレベーターメンテナンス」

新築時には、エレベーターのメンテナンスはそのメーカー系のメンテ会社がフルメンテナンスで行うようになっているのが一般的です。
例外としてマリモさんは初めから独立系メンテ会社としていましたし、第一交通産業さんはメーカー系ですが、POGメンテとしています。それ以外は、メーカー系のフルメンテナンス契約となっています。
メーカー系なので独立系に比べれば少々お高くなっています。

どのデべさんも、売らんがために当初の修繕積立金を激安で設定しており、長期修繕計画の見直し時に修繕積立金は当初設定額の3倍くらいに値上げされることとなります。
そこで持ち上がるのが管理費の削減や、売主憎しで系列の管理会社外しです。
管理会社さんは、激安修繕積立金設定を黙認していたという、脛に傷状態なので外されても仕方ない面はあります。
しかし、いくら管理費削減につながるからと言ってエレベーターメンテを変更するのは、慎重に行わなければなりません。

エレベーターメンテを行う業者については、設置されているエレベーターのメーカー系のメンテ会社と、独立系のメンテ会社とがあります。
独立系メンテ会社で有名なのは、SECエレベーター、ジャパンエレベーター、エレベーターコミュニケーションズ、西部エレベーターサービス、西日本エレベーター等です。
つぶやき主が知る限りこの中で一番低額なのはエレベーターコミュニケーションズではないでしょうか。

独立系メンテ会社の一番のメリットは、メンテ費用が低額なことです。
メーカー系に比べて圧倒的に低額です。
一方デメリットとすれば、メンテまでの時間がメーカー系に比べてかかる傾向があるとなります。
どの独立系メンテ社さんも、多くの部品をストックしていますので、大概の故障に対しては対応できますが、メーカーでしかわからないブラックボックス的な故障に対してはFAXでメーカーに問い合わせ~メーカーからの返答~メーカーへ部品発注~補修実施となります。独立系でも補修はキチンと行えますが、それまでに要する時間がかかりすぎる場合があるという事です。
若松のマンションでは2週間(2か月だったかも?)エレベーターが停まった例があります。

北九州市役所のエレベーターメンテは独立系の西部エレベーターが行っていますが、ここは4基のエレベーターがあって、仮に1基が停まっても他の3基で十分賄えます。
このような設置状況なら独立系に変更するのをおススメしますが、1基しかない、或いは複数基あるが他のエレベーターでは代替えが利かず目的の部屋へ行くことが出来ない、ならばおススメしません。
高層階の方は、少しでも早くエレベーターが稼働しなければ生活できません。

また、独立系メンテ会社へ変更して対応が悪かったり、補修までに時間がかかるようならば、再度メーカー系へ変更すればいいじゃん、と思われるかも知れませんが、そうは簡単にいきません。
メンテをメーカー系へ戻そうとすると、エレベーター1基につき600万円くらいのお金を請求されます。
異常時に信号が届く先の変更や、部品が純正のものかの確認があり、「当社でメンテを行えるかどうかの確認作業」のために必要と言われます。
「別に請けたい仕事じゃないけど、それだけ出してくれるならやってあげてもいいよ」ニュアンスです。

市役所の様に1基が停まっても他の基で代替えが利くのならば兎も角、管理費削減のために、エレベーターメンテをメーカー系から独立系への変更をススメる管理会社やマンション管理士はまずいません。これらデメリットがあまりに大きいことが分かっているからです。