マンション管理士の独り言・・・1059

マンション管理士の独り言・・・1059

「災害が多く、地震保険に入るべ」

台風や大雨という最近災害が多くなり、それに伴って地震保険を付保する管理組合さんが増えてきました。
今まではマンション総合保険だけだった管理組合さんで、組合員の方から地震保険付保を検討してほしいというお声が理事会に寄せられました。
“そんなら”という事でアンケートを取ってみました。
その結果、なんと40戸中38戸が付保すべきとの回答です。
ただ単に地震保険に加入しますか?という問いではなく、地震保険の特徴や、どのような場合に保険金支払の対象となるのか?ならないのか?などを分かりやすい噛み砕いた資料を添付したのが良かったかもしれません。
地震保険は、メインとなるマンション総合保険の付保開始と同時に加入しなくても構いません。途中からの加入も認められています。

以下に地震保険の概要をつぶやきます。
①地震保険 保険金支払い例
・地震により建物が倒壊した・地震が原因による津波で建物が流された
・地震が原因による火災で建物が全焼 ・地震によりマンションの柱にひび割れが生じ
た ・地震により建物が傾いた・地震が原因でストーブが倒れ火事になった
(地震が原因で出火した場合、火災保険では保険金は支給されない)

②72時間基準
・最初の地震が発生してから72時間(3日間)以内に発生した地震は1回の地震とみなさ
れる。 ・最初の地震で建物の一部が損傷し、その後72時間以内の地震で全壊となった
場合は、全壊扱い。

③地震保険は修理費用を支払う保険ではない
・地震保険は被害の程度に応じ、全損・大半損・小半損・一部損を判別し保険金が支払われ
ます。 ・地震保険は、火災保険とは異なり修理するための費用を支払うものでなく、損
害の程度に応じて保険金が支払われるもの。
従って修理費用は支給された保険金ではまかなえない、という事が前提です。

④地震保険は、火災保険で設定している保険金額の30~50%で設定します。

⑤組合員が個人で専有部分に付保している地震保険は、共用部で認定された損害が適用される。
・例えば、共用部分が全損と認定されれば専有部分に被害がなくても自動的に全損認定となります。

⑥地震保険に加入していないと合意形成ができにくくなる
・東日本大震災時に実際にあった事例ですが、地震保険を付保していなかったので莫大な修
理費用を組合員で工面することとなり、8階の住戸の方から「自分宅はほとんど被害がな
いのに、大きく壊れた1階の方と同じ額費用負担するのは納得できない」との声が挙が
り、合意形成に大変な時間がかかったという事がありました。

検討した結果、加入しないというのならばそれで構いませんが、検討すらしていない、というのは感心出来ません。
一度検討することをおススメします、です。