マンション管理士の独り言・・・1061

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「宅配ボックス 感動の増設ストーリー」

宅配ボックスを増設するまでの感動のストーリー第2弾です。
宅配ボックス数を増やすために、現在の設置場所を変えることなく6ボックスを12ボックスに増設する案が出来ました。
3回に及ぶアンケートを実施し、組合員の意見を最大限取り込む努力も行いました。
現在のデジタルカード式からアナログ式へと変更となりセキュリティ面で多少の懸念は残るものの、設置費用も安く抑えられ、毎年22万円もかかっていたメンテナンス費用も不要です。
理事会としては自信を持って総会へ提案しました。

ところが総会では、セキュリティ面を心配する声が多く寄せられました。
現在よりもセキュリティ面が劣ることになるのは否めません。そこに対して不安の声が挙げられたのです。
“防犯カメラ設置個所見直しを検討する”更に“セキュリティ面を補う使用細則を作成する”という付帯条件付きで議案承認となりました。

通常総会後は役員さんが総入れ替えです。新しい役員さんに本件について1からレクチャーするところから始まります。3歩進んで2歩下がるみたいな感じです。
警備会社を呼んで今の防犯カメラ設置個所でいいのかの検証から始まります。
宅配ボックスを監視できる場所に移設することを始め、現在の防犯カメラ数では少ないという結論となりました。
使用細則の方は、つぶやき主におまかせ、です。
つぶやき主事務所には、いろんな管理組合の、いろんなデベさんの、宅配ボックス使用細則がストックされています。これらを参考に、この管理組合さんに一番適しているものを作成しました。

検討の過程で、現在のN社ではなく、もう一つの大手のF社も検討してみることをつぶやき主が提案しました。F社もデジタル方式です。現在のカード式ではないものの、予め住戸ごとに割り振っていた暗証番号で開錠するタイプです。
セキュリティ面でも現行タイプに見劣りしません。
しかも毎月のメンテナンス費用も必要ないことがわかりました。
ボックス数も11ボックスまで増設可能です。

これを議案としてまとめ、臨時総会に提案しました。通常総会から7か月後のことです。
通常総会で承認いただいた際と宅配ボックス業者も変わっていますし、金額も変わっています。新たに総会承認が必要です。
予め議案書を配布し、議決権行使書も添付しました。
相変わらず、「現在の6ボックスで十分だ。増設する費用は勿体ない」という根強い反対意見はあるものの多くの組合員から承認をいただきました。

総会では特にセキュリティ面を心配されるご意見も挙がらず、無事に承認となりました。

組合員さんから「ボックス数が少なすぎる。増設してほしい」というお声が挙がってから約2年が経過してやっと承認となりました。
オリンピックが東京に決定された際の関係者の喜びようがテレビに映し出されますが、それに似た感動・達成感があります。

管理組合の合意形成は難しく、時間がかかるというのを再認識させられました。