マンション管理士の独り言・・・1069

マンション管理士の独り言・・・1069

「看板外したら・・・」

「顧客満足」「顧客第一主義」「顧客ファースト」よく聞くフレーズです。
“トップがそう考えていても、部下にまでその考えが浸透していない”“トップもそう考えておらずただ単に美辞麗句を並べているだけ”どっちかはわかりませんが、掛け声倒れになっている売主さんが多すぎます。
一見するとマンション購入者は、民法の瑕疵担保責任、住宅の品質確保に関する法律、アフターサービスという3つの法律や取り決めで保護されているように見えますが、売主さんの考え方、運用次第で何とでもなります。
“これは瑕疵ではないですね。経年劣化によるものです”“自然災害に起因するもので、売主の責任ではありません”“こんなものです。一般的な施工精度です”などと言われればどうしようもありません。
いくら“そうじゃないでしょ!施工に不備があったんでしょ“と言ったって、それを証明する術はありません。
口やかましく何度でも言い続けると“仕方ないですね。今回だけ特別に補修してあげます。”と恩に着せるような物言いです。
管理組合さんが理事長名で「瑕疵だから補修してください」と出した書面に対して「瑕疵じゃないけど、お困りだろうから今回だけ特別に補修してあげる」っていう回答書面ならつぶやき主の事務所にいくつもあります。

解放廊下が雨漏りしています。これに対して管理組合さんが「品確法の瑕疵期間内(10年)で、雨水の侵入だから補修してね」って要請しても「品確法は室内の雨水浸水があった場合に適用されるので、解放廊下は適用外です。補修するなら○○万円です。」とどこ吹く風でのたまいます。
屋上から雨漏りです。屋上防水については品確法などと別にメーカーからも10年保証が付いています。
ところが、「防水層を切開しないと原因がわかりません。切り開けて原因が施工不良ならば保証の範囲内なので無償補修しますが、原因が分からない時は切り開けた費用や復旧費用を負担してくださいね」とヘッチャラで言ってきます。
切り開けた時は、最初の施工状態から加工を加えたという扱いになるという論法です。

屋上のシート防水が踏んだだけでチャッポン、チャッポンしていてまさに漏水直前であっても、「保証は漏水を予防するものではありません。漏水が現に発生し、それが施工不良によるものについてのものです」と何にも手をつけません。
これらの対応に困った管理組合さんや区分所有者が最後に行きつくとこがつぶやき主のようです。
1級建築士や1級建築施工管理技士の助けを借りながら、「顧客満足」「顧客第一主義」「顧客ファースト」売主さんと交渉です。
“また、つぶやき主さんか”とあからさまに嫌な顔されますが、粘り強く交渉開始です。

つぶやき主の中では、「クレーム対応に真摯に向き合う売主さん」と「時間はかかるがクレーム対応はキチンと行ってくれる売主さん」、「管理組合を素人と思って小馬鹿にしたような返事で全く対応しない」売主さんとの峻別や順位付けは出来ています。
これをつぶやけないのが悲しいところ・・・。

「一生で一番高価な買い物を御社を信用して購入した、言わば御社のファンですよ。もっと大切にしてあげて」