マンション管理士の独り言・・・1070

マンション管理士の独り言・・・1070

「こんなことも出来ない。管理組合」

“○○ちゃんや△△君は出来るのに、なんでうちの子は出来ないの?”ってお話ではありません。組合員のお金を使用・管理する管理組合だから出来ない、不自由さのお話です。
前面道路から、マンションアプローチまでの間に側溝縁石があり約2センチの段差があります。よく見かける仕様です。段差で雨水の浸水を防いでいるって効果もあります。
しかし、高齢者が躓いたりすることもあるし、車いすや、ベビーカーを利用している人にとってはたった2センチの段差も厄介なものです。
組合員から“使い勝手が悪い、段差で躓く”という苦情が入り、理事会でここにホームセンターに売っているジョイステップを設置しようとなりました。
90㎝で3,000円程度です。全部の段差部分に敷き詰めても20,000円もかかりません。横部分が開いているものもあり、雨水処理の邪魔もしません。
役員の誰もが良い案だ。少ない費用でとっても改善される、と思ったものでした。
ところが、市役所にお勤めの役員さんが、“側溝部分は市の財産でありここに勝手にジョイステップを設置するのは不味いんじゃねエ。しかも管理組合で違法となるようなことをしちゃ、ダメでしょ”というご発言です。
“ジョイステップを設置しているご家庭はよく見かけるし、そんなに神経質にならなくてもいいんじゃない”と他の役員さんの顔に書いていますが、正論だけに“じゃ、止めとくか”となりました。

数日後ジョイステップが設置されています。
当然理事会でも話題になりました。“誰が設置してくれたんだろう?段差がなくなり自転車なんかもスムーズに行けるようになったね”です。
理事長さんが自腹を切って設置してくれていました。
気が短いというか、男気溢れた理事長さんが、“管理組合で出来ないなら、大した金額じゃないし、自腹切って設置する”と実施してくれたものでした。
「有難うございました。随分使い勝手が良くなりました」と頭を下げたいところなのですが、スンナリそうならないところが管理組合の不自由さです。

役員さんも、全員が「有難うございました」とは思っているのですが、“理事長さんにそんなことされると次回理事長になる方にプレッシャーがかかる。あまりやらないほうがいい”というご意見が出されました。お気の毒に理事長さんは憮然とした表情で聞いていました。

今日はクリスマスです。クリスマスで思い出されるのが“管理組合でクリスマスツリーをエントランスに飾ろう”ってご意見が出され時のことです。
“子供さんも喜ぶし、いいアイデアだね”と誰もが思ってたところに、“クリスマスっていうのは、キリスト教の行事でしょ。管理組合として特定の宗教の行事に肩入れするのは不味いんじゃないの”です。一気に意気消沈

“じゃあ、門松は?門松は宗教かかってないだろ”
“門松も起源は平安時代の朝廷行事らしいよ。止めたほうが無難だね”
またまた意気消沈

“七夕に笹を飾り付けるのは文句ないだろ”発言者は、ドヤ顔です。
しかし“笹アレルギーって人もいるみたい”に撃沈

どおすりゃ、いいのさ、し~あ~ん~ば~し♪♪ 青江三奈風に・・・。