マンション管理士の独り言・・・1084

マンション管理士の独り言・・・1084

「そして誰もいなくなった」

正式には2年ほど前から顧問としてお世話している管理組合さんですが、そのマンションの組合員のお一人に5年ほど前から個人的にご相談を受けていました。理事長さんが勝手に知己のある業者へ修繕工事を発注する、以前には横領もあったなど管理組合の活動に腹を据えかねて、相談料を個人負担してまで、ご来社されていました。
その方が昨年5月から晴れて役員となり会計を担当されていましたが、この2月で転居されました。

街中で投資目的にもなりやすいという環境はあるのでしょうが、このマンションでは役員さんの退去が頻繁です。
昨年は理事長さんと会計担当理事さんが退去。理事長さんは今回同様、任期途中での退去でした。一昨年は理事長さんが役員を退いた後直ぐに退去しちゃいました。
皆さん管理組合活動に嫌気がさして、他の役員さんとソリが合わなくて、こんなのやってられるか!状態で退去されます。
“以前の役員さんの不正を追及しよう”とここまでは皆さん一緒なのですが、どこまで追求するかで個々人の考え方が異なってきます。
個人的な恨みもあり、“裁判を起こしてでもトコトン追及しよう”という方や、“そこまで追い込まなくてもいいでしょ。それより大規模修繕工事などやらなきゃならない事が沢山あるのだから未来志向で行きましょう”って方もいます。小規模なマンションなので、一旦意見の対立が始まると加速度的に人間関係がこじれていきます。
そしてやがて対立関係になってしまいます。対立関係が人数集めになり、Aグループ、Bグループなんていうのが出来てしまいます。

新理事会が発足した昨年の5月には新理事長のお宅で、料理を持ち寄って懇親会を開いたほど当初は和気あいあいでした。つぶやき主にもお誘いがかかり楽しい時間を過ごしたものでした。小規模だから出来る、アットホームな雰囲気でした。
それが特に前役員さんの経理に不正がある、ない、で、段々悪い雰囲気になってきました。最近の理事会では、怒声や罵詈雑言が飛び交う、喧嘩一歩手前までの状態でした。
そんな状態に嫌気がさしての2月の転居です。

退去したので、もう組合員ではありませんし、当然ながら会計担当理事でもありません。決済の数日前にお目にかかり通帳など一式お預かりしました。
なかなかなり手がいなくてやっとこさ就任していただいた会計理事です。後釜なんて簡単に見つかるわけがありません。
5月の通常総会までは、つぶやき主が通帳を預かって会計を代行することとなりました。
その承認を得るために3月には臨時総会を開催しなきゃ、です。

結局、しわ寄せがつぶやき主に降りかかってくることになりました。

管理組合内部でのいがみ合いや対立はどっちにとってもいい結果を招きません。勝った負けたで言えばどちらも敗者です。よりダメージの大きいほうがやがて退去していくというのがパターンです。

まるでお隣のお国のようです。
理事長や理事を降りると直ぐに不正探しが始まり、そんな状況に耐えかねて歴代の理事さんは退去していく、です。

どこまで遡るかわかりませんが、絡まった糸を丁寧に一本一本ほぐしながら、健全な管理組合活動にしなきゃ、です。
道は永い。