マンション管理士の独り言・・・1089

マンション管理士の独り言・・・1089

「新型コロナの影響」

新型コロナが猛威を振るっています。マンションの管理の現場にも徐々に影響を及ぼしつつあります。
先日開催された理事会では、管理会社フロントマンが参加役員全員へマスクを配布していました。消毒薬も持参する念の入れようで、参加者全員が手の消毒を行っていました。会社からの指示だそうです。
業界団体である中高層住宅管理業協会へもお国からセミナーや勉強会、その他会議開催の自粛要請が来ています。
自治会のイベントや会合はほとんどが中止になっています。

そんな中、多くの管理組合で総会の時期を迎えます。つぶやき主も3月に2回。4月に2回。
5月にはもっと多くの総会が予定されています。
理事会でも、「今年度の総会は中止か延期にした方がいいんじゃねエ」という声がチラホラと聞こえ出しました。
大規模なマンションならば、総会には100名程度の参加者があるところだってあります。さほど広くない集会室で片寄せあって総会開催するのはこの時期危険がいっぱいかもしれません。また総会への出席者は例年より大幅に落ち込むことが予想されます。

総会は年に1回は必ず開催しなければなりません。
組合員から委任を受けた理事長は、最低でも年に1回は業務の遂行状態を報告しなければならないのを始め、管理会社さんだって管理委託契約の更新を行わなければなりません。
決算報告、監事報告、事業報告を始め、予算案、事業計画案、次期役員人事、その他承認を得なければならない事項や議案は沢山あります。
区分所有法では、年に1度も総会を開催しなかった理事長さんへは20万円の罰金が科せられているほど総会開催が要請されています。

では総会は必ず組合員が集まる集会方式でなければならないかというと、そうでもありません。書面方式でも構いません。しかしこれがとてもハードルが高いのです。
原則的には皆が集まる集会方式を本来の姿としているので、イレギュラーな方法についてはハードルが高く設定されています。

まずは、「今回は総会は行なわず、書面で承認を得るなどの方法とします」ということについて組合員の承認を得ることが必要です。この承認は、組合員全員の賛成が必要です。
組合員全員の“総会開催に変えて書面総会でいいよ”という承認が必要という事です。
全員の賛成というのは、とても困難な作業です。マンションの管理運営に興味のない方もいるなかで、全員の承認を得るというのは至難の業です。

それでも苦労・努力の結果、晴れて組合員全員の賛成が得られたら、今度は通常の総会開催の様に、決められた期間内に議案を配布し、そして各議案ごとに普通決議あるいは特別決議で採決することになります。
組合員全員の“総会開催に変えて書面総会でいいよ”という承認の後には、通常の総会開催手続き~決議が必要という事です。
つまり2回の書面による手続きが必要とされるという事です。

簡単に“総会を延期、或いは中止”って言われても実際にはこんなに大変なんです。