マンション管理士の独り言・・・1092

マンション管理士の独り言・・・1092

「コロナ影響下の管理組合総会」

コロナウィルスが猛威を振るっています。
今日になって安倍首相などが“オリンピックの延期”を口にし始めましたが、アブドゥルじゃなくてもこんなの分かり切ったことでした。決断が遅い。
オリンピックのような国際的なイベントでさえ延期が叫ばれる中、管理組合も総会開催に知恵を絞らなければなりません。
以前つぶやきましたが、マンション法といわれる区分所有法では原則“集会方式”をとっており、最低でも1年に1度は皆で集まって話し合って決めようよ、ってなっています。
集まらなくて書面で総会を開催する方法も一応規定されていますが、極めて例外扱いとなっていて“組合員の全員”が書面による総会を認めた場合に限っています。
全員の賛成を得るなんて、とても大変な作業です。
また、規約により多少異なりますが、総会の開催時期は年度が終わって2~3か月後までに開催するとなっていますので、延期することは規約上無理となっています。

書面による総会は、全員の賛成というとても高いハードルがある、かといって規約上延期は出来ない、となれば、「総会は開催するが、出来るだけ出席をご遠慮いただこう」と成らざるを得ません。
いつもは、“大事な議案を審議します。出来るだけ多くのご参加をお願いします”とするところ、“コロナウィルスの影響下、出来るだけご参加はお控えください”と真逆な要請になってしまいます。
多くの管理会社さんがこの方式を、管理組合さんに勧めています。

具体的には、書面による議決権の行使を勧めています。予め配られた議案書を読んで、第1号議案は賛成、第2号議案は反対というように、議案書に添付されている書面で議決権を行使する方法です。
議決権行使書を添付すると、実出席者が少なくなるから添付しないという管理会社さんもありますが、この際は仕方ありません。
成功イメージは、総会当日の出席者は、理事長とフロントマンにつぶやき主の3名だけというものです。
役員引継ぎがあるので新旧役員さんにはご出席願うというのもアリです。

書面で議決権を行使してもらおうとする場合の議案書は、それを読んだだけで、その議案に賛成か反対かを判断できるくらいの内容になっていなければなりません。
いつもの総会のように、“当日言葉で補足説明する”“業者さんに出席してもらって説明いただく”、という事は出来ませんので、詳細な内容となっていなければなりません。
これが大変な作業です。小倉北区の管理組合さんでは、議案書が100ページ近くになってしまいました。
また、議案化したいけれど文章にするのは難しい、或いは文章にしたけれど専門用語を使わざるを得ず理解しにくい、という議案の場合は、今回は上程しないという組合さんも出てきました。

コロナウィルス影響下、マンション管理組合さんは、①総会は開催しないといけない ②書面での開催は事実上不可能  ③開催するけど出席はご遠慮いただく  ④書面による議決権行使を勧める  ⑤議案書は読んだだけで賛成、反対の意思表示が出来るような内容にする という方法をお勧めします。