マンション管理士の独り言・・・109

「やっちゃならないことを、特にやっちゃならない人がやっちゃった」

3月15日号のマンション管理新聞に、またまた、管理会社フロントマンによる管理組合財産の着服事件が掲載されています。
今回の事件が衝撃的なのは、「業界の盟主」ともいうべき東急コミュニティの社員によるものだからです。しかも3人。
受託管理戸数第1位の大京アステージや第2位の日本ハウジングに続いて第3位の東急コミュニティです。
「東急コミュニティお前もか!」です。

管理業界をひっぱっていかなければならないオピニオンリーダーの上位3社が揃いもそろって管理組合財産を横領です。

今回の手口は、集会所を利用する際の使用料や、自転車登録シール発行代など管理組合の「雑収入」となる小口現金を着服したものです。
3人による被害状況は、以下のものです。
①被害組合は6組合で、被害額160万円。平成18年10月から着服。決算報告書を改ざんしてごまかしていた。
②被害組合は4組合で、被害額150万円。平成20年から
③被害組合は3組合で、被害額50万円。平成17年12月から

うがった見方をすれば、先輩①から②~③へと手口が踏襲されていたのでは、なんて思っちゃいます。
平成17年から行われていた着服が、平成22年にやっと発覚したという、内部チェックの杜撰さにもひどいものがあります。

一般に業界では、フロントマン1人につき14~17管理組合を担当しているといわれています。その上司であるマネージャーが多くのフロントマンを管理し、さらに支店長クラスが全体掌握しているのでしょうが、能力にも限界があります。
管理会社まかせではなく、まずは管理組合自身が、積極的に管理組合活動にたずさわっていくという姿勢が求められています。