マンション管理士の独り言・・・1116

マンション管理士の独り言・・・1116

 

「分譲駐車場との闘い、、、コッパ微塵に全戦全敗」

 

前号で分譲駐車場のことをつぶやいたら、後から後から悔しい思いが噴出して来てしまって、今回はつぶやきというより愚痴になりそうです。

竣工から完売まで長い年月がかかったマンションです。

全戸分駐車区画はありますが(駐車場充足率100%)、分譲駐車場がその半分くらいを占めています。

兎に角売れ行きが悪かったので、売主さんは何とか売り上げを上げようと必死でした。

そこで、必要とする人には分譲駐車区画を何台分でも売却しちゃいました。

更に悪いことに、複数台分譲駐車場を確保した人の中で、「分譲駐車場は自分の持ち物だ。管理組合員として管理組合が貸し出している区画についても借りる権利がある。1区画貸してほしい」と主張する方が現れました。

このマンションは1住戸に1駐車区画ですから、分譲駐車場を複数区画持っていて、更に別に賃貸区画を利用している、つまり1住戸で2台区画利用しているって人が複数人いました。一番多い人で4区画を利用している人までいました。(分譲区画3つ、賃貸区画1つ)

当然ですが後から購入した人は、敷地内に駐車区画が確保できず、敷地外駐車場に追い出されてしまいました。

こんな状態で住民間で軋轢が生まれないわけありません。一時期顧問としてこの問題に取り組みましたが、話が整うわけありません。売主のアンポンタンと愚痴りながら寂しい思いをした記憶があります。

 

続いては門司の管理組合です。理事長から“総会時には毎回難しいこと言って理事を困らせる組合員がいる。何とかしてほしい”とのご相談です。

何度かの理事会を経て総会議案書も確認し総会へ臨みました。

毎回困りごとを言う組合員さんが今回も発言です。

“もうずっと前から分譲駐車場利用者から賃料をもらうように言っているがどうなっているのか?自分は敷地外に10,000円で借りているが分譲駐車場は屋内にあってもう20年以上無料で使用しているじゃないか?不公平だろ。改善しろよ”です。

この組合員さんの不満の根底には分譲駐車場があったのです。

ところが理事長さんは分譲駐車場所有者です。全く聞く耳持たず、です。“皆それを分かって購入したんでしょ。自分も中古だったが分譲中駐車場があるから、このマンションを購入した。彼方も分譲駐車場を購入できていたのに購入しなかったんでしょ。何を今さら“です。

理事長がこのような考え方ならば取り付く島がありません。

またまたコッパ微塵です。

分譲駐車場に端を発し、住民間でトラブルになったマンションはいっぱいあります。今でもトラブル継続中って組合さんも沢山です。マンション名は伏せますが、分譲駐車場所有者と一般の賃貸区画利用者との軋轢で完全に対立している組合さんのいかに多いことか。

分譲駐車場は、必ずトラブルが発生し入居者間で対立を生み、そして残念なことに解決策が見つかりません。

「こんなマンション買うんじゃなかった」って言葉を何度聞いたことか。

 

多くの人は仕事終えて疲れた体を癒すために、家族との団欒を楽しむために、生涯で一番大きな買い物「マンション」を購入します。

そんな人は、“分譲駐車場は買ってはいけない。”