マンション管理士の独り言・・・1118

マンション管理士の独り言・・・1118

 

「売主って誰?」

 

分譲マンションを購入される際の売買契約書には、売主や施工会社、設計管理会社、販売会社、そして管理会社などの名前が連なっています。これらは、売主サイド、売主関連業者と一括りにまとめることも出来ますが、その違いを理解していなければ、話がゴチャゴチャになってしまいます。

更に引き渡し後は、管理組合や理事会が発足しますから、なお一層頭がこんがらがってしまいます。

 

まず、売主というのは買主の相手方(購入者)である売主不動産業者のことです。

不動産業者ですが、開発分譲するのでデベロッパーとも言います。

購入者と直接法律的に関係があるのは、この売主となります。

この売主からそのマンションの設計と工事監理を請け負ったのが設計事務所です。

○○1級建築士事務所です。

そして、売主からそのマンションの工事を請け負ったのが施工建設会社(ゼネコン)です。施工建設会社は、売主との間で工事請負契約を締結します。施工建設会社から見れば、施主は売主不動産業者です。マンション購入者ではありません。

入居後、住戸に不具合などがあった時は、この施工建設会社の担当者が対応するので購入者との間に何かの法律的関係があると勘違いしている方が多いのですが、この施工建設会社と購入者とは直接的な法律関係はありません。ここは要チェックです。

施工建設会社は、工事を発注してくれた売主不動産業者(施主)からの指示で住戸の不具合を補修しているとなります。

 

品確法により、主要構造部や雨水の侵入を妨げる部分については10年の瑕疵保証があります。不動産業者が売主の場合の新築マンション売買契約では、10年の瑕疵保証が義務つけられています。

しかし実際にそのマンションを建築したのは売主不動産業者ではなく施工建設会社ですから、実際に瑕疵の補修を行うのは施工建設会社となります。

これは、売主不動産業者は買主(マンション購入者)に対し10年間の瑕疵保証を付ける、施工建設会社は施主(売主不動産業者)に対して10年間の瑕疵保証を付ける、だから買主(マンション購入者)からの要請に対して施工建設会社が補修する、という具合になっています。

買主からの補修要請→売主不動産業者→施工建設会社という流れとなっています。

法律的には、買主からの補修要請がダイレクトに施工建設会社が応じるとなっているわけではありません。

 

販売時には、販売会社がマンションの販売を行う場合があります。販売会社は、売主不動産業者から、このマンションの販売のみを請け負った不動産業者です。

1住戸売る都度、販売手数料が売主不動産業者から支払われます。

売ることのみを請け負っているのでマンションの工事精度や施工の不具合についての責任はありません。入居後に不具合の受付くらいを行ってくれるのが関の山です。

また、引き渡し後はいなくなりますので、販売会社担当者との約束については、売主は責任を取ってくれません。自分の住戸の販売担当者が売主の従業員か、あるいは販売会社の従業員かは、事前に確認しておかなければなりません。

 

マンション入居後は、マンション購入者全員で組織する管理組合が発足します。

発足する時期は、マンション購入者の誰か一人に引き渡した時点で発足します。

管理組合発足総会などがありますが、これは半ばセレモニー的なものです。

法律上は所有者が売主含め2人になった時点で共有関係となりますので、この時点で管理組合が発足したこととなります。

管理組合は、組合員全員の共有関係となる敷地や共用部分の維持管理を行う主体ですが、この作業を専門の業者に依頼することとなります。その専門業者が管理会社となります。

管理会社は管理組合との間で管理委託契約を締結して業務を開始します。

 

管理組合で決まったことの何もかもを購入者全員で行うのは非現実的ですので、主として総会に諮る議案作成作業などのために組合員で組織する理事会ができます。

 

そこで、マンション管理士とは、マンションの管理運営が適正・適法になるように管理組合や理事会に助言指導を与えるって立場ですが、・・・需要が少ない。