マンション管理士の独り言・・・1130

マンション管理士の独り言・・・1130

 

「台風10号が去ったあと、が心配」

 

台風10号が九州に接近しています。915HPという猛烈な台風のようです。

北九州でも甚大な被害が出るのでは、とても心配しています。

つぶやき主がお世話しているマンションも昨日と今日で回り終え、エントランスガラス部分に養生テープ貼るなどして対策を取ってきました。

マンションは鉄筋コンクリートで出来ているため台風そのものには“強い”と言っていいでしょう。木造の戸建てに比べて数段勝っています。家の中にいればまずは大丈夫です。

 

しかし、台風10号ではその強風のため電柱が倒れることが予想されています。何万戸単位で停電しそうです。

台風そのものにはとても強いマンションですが、停電にはからっきし脆弱なのです。

最近のマンションは共用部分の設備が充実しています。

代表的なものでオートロック、エレベーター、直結増圧給水、機械式駐車場、シャッターゲート、宅配ボックス、廊下照明などです。

停電時にはそれら設備が動かなくなります。

エレベーターには非常用バッテリーが備わっているものもあります。

築10年未満のマンションのエレベーターには設置されています。

この非常用バッテリーは“閉じ込め事故防止”のためにものです。

仮に5階から6階へ登っていく途中で停電となった場合、非常用バッテリーが作動し、どちらか近くの階まで運んで行ってくれます。

そこでドアを開け中の人が降りたらそれでお役目終了で、それからは動かなくなります。

通電するまでの間、ずっと止まったままです。

マンションには病院のように自家発電装置など備わっていませんから、通電するまでの間はどの設備も止まったままです。つぶやき主の知る限り自家発電装置が備わっているのはパークハウス桜坂サンリヤンだけです。

自家発電装置と言っても灯油で動く小さなものです。

 

マンションでの生活を支える上でなくてはならない設備はエレベーターの他にもあります。

各戸へ給水している設備にも給水ポンプが使われています。

直結増圧であろうが受水槽方式、高置水槽方式であろうが給水ポンプがあります。

停電時にはこの給水ポンプが停止します。つまり蛇口をひねっても水が出てこないのです。

 

台風が来た。ものすごい強風だったけど、家の中にいて大丈夫だった。家具も人も損傷することがなかった。メデタシ、メデタシ、とはいきません。

その後に発生した停電のため、エレベーターが動かなくなって、10階まで上り下りするのが大変だった。給水がストップしたので、給水車まで水を汲みに行く作業で疲れ果てた。

こんな重労働を何日も出来ない。家の中は大丈夫だけどとても生活できない。避難所に行こう。って方が大勢出ちゃいます。

 

マンションで怖いのは台風など自然災害そのものよりもその後にくる停電です。

停電への備えって何もないのが辛いところです。

停電が起きないことを祈ります。