マンション管理士の独り言・・・1147

マンション管理士の独り言・・・1147

 

「マンションの事ならわかるんだ、造っているからわかるんだ♪♪♪」

 

長谷工グループさんのテレビCMです。何気なく聴いていますが、結構深い意味があります。

グループのうち管理会社は長谷工コミュニティさんですが、ご当地では長谷工コミュニティ九州さんとなります。

かれこれ5年以上も前の事ですが、福岡エリアに丸美という地場では大手の管理会社がありました。

ここが甘い言葉を使って管理組合の修繕積立金を解約させ、自社の社債を購入させ、それが会社の破綻と同時に紙屑となった、という事件がありました。刑事事件にもなっています。

丸美が管理していたマンションのほとんど全てを受け継いだのが新たに九州へ進出してきた長谷工コミュニティ九州さんです。

北九州にも進出し、今では20を超える管理組合さんから管理業務を受託しています。

 

マンションの分譲に際しては、事業主と施工会社、設計監理事務所、販売会社、管理会社が関わってきます。

事業主は、そのマンションを事業として成り立たせる不動産屋です。

ご当地なら、なかやしきさん・東宝住宅さん・九州三共さん・大英産業さん・泰平建設さん・第一交通産業さん・日鉄興和不動産さんなどです。

マンション購入者(買主)からすると売主になります。

ハウスメーカーである積水ハウスさん・大和ハウスさんなども稀にご当地でマンション分譲を行いますが、一般的に事業主はマンションの建設は行いません。

 

マンションの建設を行うのは、建設会社です。ご当地では、福屋建設さん・大島組さんなどです。福屋建設さんが圧倒的なシェアを誇ります。

建設会社は、事業主である不動産屋からマンション建設工事を受注する、つまり建設会社からすると不動産屋は発注者(施主)となります。

マンション購入者はマンション建設についての発注者でなく、マンション購入者とマンションを施工した建設会社との間には一義的には法律的関係はありません。

 

設計監理事務所は、1級建築士事務所です。ここも事業主から設計監理業務を受注し、業務を行います。発注者は事業主である不動産屋です。マンション購入者は、発注者ではありません。

 

販売会社は、事業主ではありません。マンションの販売だけを事業主から請け負った業者さんです。

1戸売れば販売価格の最大6%程度の販売手数料(代理)を事業主からいただきます。

販売だけに特化していますので、マンションそのものの瑕疵や不具合についての責任はありません。マンション購入者から販売手数料はもらいません。代理行為ですから、手数料は事業主からのみ支払われるということになり、その意味ではお客様は事業主です。

 

管理会社は、購入者が入居後のマンションの管理業務を受託する専門業者です。

国交省への届け出が必要な業種となっています。多くは事業主の子会社か関連会社ですが、設立総会時に管理組合との間で正式に管理業務委託契約を締結することになります。

マンション販売開始時には、管理会社は事業主により決められていますので、ここもお客様は事業主となっちゃいます。

 

本題の「造っているからわかるんだ」です。

長谷工グループさんは、マンション分譲に関して他の事業主とは異なり自社で建設する場合があり、だからマンションの構造や設備にも詳しい、ということを訴えたいのです。

 

本当に詳しいかどうかは知りません。