マンション管理士の独り言・・・1150

マンション管理士の独り言・・・1150

 

「共用部利用」

 

築25年のマンションです。ずっと前から敷地内に利用していない空地があります。6畳ほどでしょうか。

そこにバスケットボールのゴールポスト(リンク)を設置したいという申し出がありました。可動式でキャスター付きです。通常はバイク置き場に置いて、利用するときだけゴロゴロと運び出します。初期の桜木花道のようにシュートボールが大きくリンクを超えても大丈夫なように4mのネットも貼ります。それら費用は全部申請者が負担し、管理組合にはご迷惑おかけしません。とのことです。

 

これを認めるかどうかを話し合うために理事会を開催しました。

“今までずっと使われていない場所だから認めていいんじゃないか”“久しく子供たちが遊ぶ声を聴いていないので、にぎやかしくなっていいね”というご意見が多数です。

しかし、ドリブルの際の重低音騒音やもしボールが跳ねて隣家へ入って車を傷つけたなどの苦情については申請者の責任で対応してもらう、などの一定の条件は必要だとなっています。

つぶやき主は組合員ではありませんので、理事会の方針に従って道筋を立て、規約に沿って肉付けします。

 

つぶやき主からは、「今まで使われていなかったとは言え共用部分です。一部の方からの申し出をスンナリと認めるわけにはいきません。“使用できるとは思っていなかった。使用できるならば花壇や家庭菜園をしたい”って方もいるかも知れません。先ずは他に使用したい方がいるのか、それはどんな使用方法か、についてアンケートを実施しましょう。またバイク置き場にバイク以外のバスケートゴールポストを置くのならば、バイク置き場使用細則の改正も必要です」というアドバイスです。

 

理事会での議論の最中に、こんな意見が出されました。

「25年位前にこのマンションを買った時は、ちっちゃな子供がうじょうじょいて、駐車場の中を走り回ったり、少しの隙間があればキャッチボールなんかをしていて苦情が沢山出ていた。それで敷地内ではキャッチボール禁止になり、それでもしている子がいれば管理人さんに怒られていた」

「その当時はキャッチボールさえ禁止だったのに、それよりもずっと大きなバスケットボールを認めるとは隔世の感がある」

「そんな時代もあったのにその当時の子供はみんな成人して所帯を別に構えてしまった。このマンションにはお盆と正月にしか帰ってこない。住んでいる人は皆60歳を超えて中高年ばっかりになっている」とシンミリとしちゃいました。

 

高度成長期に開発された大型住宅地などでも若い人がいなくなり、年寄ばっかりになって活気がない、住んでいる人もまばらになり商店街が廃れていった、などの現象が現れていますが、マンションでも同様です。

マンションを購入する人は、30代から40台が中心になります。それゆえに買った当時は、“ちっちゃな子供うじょうじょ状態”ですが、やがて成人し巣立ち、20年もすればお年寄りだらけのマンションになってしまいます。

 

売りに出せば、買い手がすぐ現れるような管理の行き届いた「新陳代謝」の良いマンションにしなきゃ、です。