マンション管理士の独り言・・・1155

マンション管理士の独り言・・・1155

 

「マンションの意思決定」

 

マンション管理組合の意思決定は、どのようにして行われるかというと、みんなで集まって話し合って決めましょう、となっています。

区分所有法でいうところの総会(集会)主義です。

個人ならば、1日も考えれば結論がでるものであっても、マンションは皆の共有持ち分がありますから皆で話し合わなければなりません。

総会は、その管理組合の年度末が終えて2か月後か3か月後に行われる通常総会と臨時に開催される臨時総会の2種類があります。通常総会の開催時期は管理規約によって異なります。

どんなに多くても臨時総会は年に3度くらいが限度で、通常総会と合わせて4回がMAXでしょう。

 

折角皆が時間を割いて集まって話し合うのですから要領よく中身の濃い総会にしなければなりません。

皆が集まった総会当日「さて今日は何を話し合いましょう」と言ったって実のある話し合いになりません。また、当日総会に欠席した人の扱いにも問題が出てきます。

そこで、予め総会で話し合う議案を作成して事前に組合員全員へ配布しておきます。

配布する時期は、総会開催日の1週間か2週間前です。この期間も管理規約によって異なります。管理規約に定められている期間を守り必ず全員へ配布しなければなりません。

配布漏れがあると、配布されなかった人の組合員としての議決権行使を阻害することになりますから、注意が必要です。

 

総会では、予め配られた議案書に記載していることを決議しても無効とされています。

予め議案書が配布されているので総会当日都合が悪く欠席する人であっても、議案書を読んで第1号議案賛成、第2号議案反対などの意思表示を書面でもって行えることになりますし、また代理人を選定することもそれほど難しくありません。

 

その議案書は誰が作成するかというと、理事長をはじめとする役員さんで構成される理事会です。

理事さんは総会で、「今期の理事会を構成する役員さんは○○さん、△△さん、□□さんです。皆さんご承認願います」と議案化され承認されています。

理事会の行う業務は、議案の作成・規約改正案の作成・予算案の作成・決算案の作成などと規約で定められています。

「これらの案の作成を行うのが今期の役員さんで構成される理事会ですよ、これらの役員さんにお任せするんですね」という前提のもと総会で承認を得ているということになります。

 

どんなに「この件について皆で話し合ってもらいたい。議案化してほしい」と思ったとしても理事会でそれを取り上げてくれなければ議案化されず、つまり総会で話し合われることはありません。

議案化する、しないは、理事会の裁量に任されています。特に理事長の意向は絶大です。

理事会の採決において、理事長でも一般の理事であっても同じく一票ですが、理事長の意向に反してまで意見を通そうとする理事にはお目にかかったことがありません。

 

皆さん就任を嫌がりますが、理事長や専門委員会の委員長の意向は重いんですよ。