マンション管理士の独り言・・・1158

マンション管理士の独り言・・・1158

「わかってない」

マンションを購入するということは、①購入した住戸の区分所有権 ②共用部分の共有持ち分 ③敷地の共有持ち分 という権利を取得するのと同時に ④管理規約・総会の決議を守る ⑤管理費・修繕積立金を負担する ⑥管理組合員となる、という義務を負うことになります。

管理組合員となることが義務といえるのか?についてはいろんな意見ありますが、理事長はじめ役員さんになりたがらない風潮を見ると義務でいいのかな、って感じます。

マンションを購入すると、法律上当然に管理組合員となるのです。脱会の自由もありません。

反対に、管理組合員としての資格を剥奪されたり、管理組合から除名したりも出来ません。

最近はおかしなことを考える人がいて、“今の管理組合の活動は納得できない。別の管理組合を立ち上げるべ”なんてことがあります。

それを防止するために「マンション分譲当初にある管理組合が唯一のもので他の管理組合を設立してはならない」なんてことを管理規約の規定しているマンションもあります。

そして管理組合の意思決定は、総会で話し合って決められるということになります。

総会当日、“さぁ、何を話し合いましょうか?”では実のある議論が出来ません。

そこで総会開催日の1週間とか2週間前に予め“今度の総会では○○と△△を話し合いますよ”とした議案書を配布します。

総会では予め配布された議案書に記載されている議案以外は決議できません。

時間が余っているからと言って議案書に記載のないことを決議できない仕組みになっています。

予め配布された議案書を読んで、“今回は委任状出して欠席しよう”とした組合員に対し、総会当日議案書に載っていない議案を決議しちゃうと、不意打ちを喰らわすことになるので、厳に禁止されています。

その議案を作成するのは、理事長さんはじめ理事で構成される理事会です。

この理事会と管理組合との違いがわかっていない組合員さんが多いのには閉口します。

「管理組合が意見を取り入れてくれない」「管理組合がきちんとしていない」など多くはネガティブなご意見ですが、この言葉使いは間違っています。

「管理組合」ではなく、「理事会」です。言葉使いのみならず本質的な違いがわかっていない人も多くいるようです。

“ご意見者、苦情申立者も管理組合の一員である組合員なんですよ”です。

管理会社は、主として共用部分や敷地の維持管理を管理組合から受託して、対価を得て管理している企業です。

「管理委託契約」の内容に基づいて管理業務を行っています。

組合員などから「管理委託契約」に記載されたことがら以外のリクエストあっても管理会社には何の決定権もありません。

マンションライフに関して何か意見や苦情がありそれを管理会社へ申し出ても、何の決定権もありませんから、理事会に報告します、という対応しか取れません。

意見や苦情があればそれを申し出る先は、理事会です。

管理会社に申し出ても、その意見についての対応や方針は最終的には理事会で決めることになります。

理事会の承認や指示のもと、管理会社が行動するというのが流れです。

「管理組合」「理事会」「管理会社」さらには「理事長」の役割と責務をキチンと理解しなくちゃ、です。