マンション管理士の独り言・・・1161

マンション管理士の独り言・・・1161

「売主系列の管理会社」

売主系列の管理会社さんに管理を委託するメリットとして、管理組合からの要望や苦情に応じてもらいやすい、迅速な対応となる、などが挙げられます。

売主系列の管理会社さんの場合、社長が一緒の場合もある、管理会社の役員やフロントマンの多くは売主からの出向者、事務所も近接、従業員同士が身近、などの要因があり、管理組合からの要望や苦情に対応しやすい、と考えられています。

これって本当でしょうか?

売主系列や独立系含めて多くの管理会社さんとお付き合いのあるつぶやき主の感想では、共用部分などに不具合あった時に、売主系列の管理会社さんだから対応してくれるとか、迅速に対応してくれるなんていうのはあまり感じません。

売主系列の管理会社さんからすれば、売主さんは今後分譲していくマンションの管理を黙っていても依頼してくれる大事なお客様です。

売主さんがあまり手を煩わせるようなことは持ち込みません。

“売主に問い合わせたら、これは有償になり、○○万円かかります”と管理会社さんがいうのを、“それはオカシイ。売主さんの責任で行うべきものだ”と言ってひっくり返したことは1度や2度じゃありません。

一方、売主さんの方でも管理組合からのちょっとした要望や苦情は、“管理会社で何とかしてよ”って思っているようです。複数のフロントマンから聞いた言葉です。

また、自社系列の管理会社でなきゃ、管理組合からの要望苦情が受け付けてもらいにくい、なんて事がまかり通ったら、おかしな話です。

独占禁止法にも抵触するんじゃないかな?なんて、思ってしまいます。

マンション購入時には、すでに管理を委託する管理会社さんは決まっています。

売主さんが予め決めています。

管理組合で理事長などが決まる設立総会は、マンション竣工後8か月後くらいに開催されますから、その間管理が出来ないというわけにもいきません。

そこで、管理会社さんも予め決めておかなければならない、というのも理解できます。

しかしこの管理会社さんは購入者が総会で決めたわけではありません。

売主さんからあてがわれた管理会社さんです。

管理委託料が管理の内容にあっているかどうかもわかりません。

やはり一度は、現在の売主さん系列の管理会社さんを含めて他の管理会社さんの話も聞いてみるべきでしょう。

その結果、現在の管理会社さんに落ち着いたとしても、おそらく管理委託料は減額されますし、緊張感持ったサービスになります。

長谷工コーポレーションさんが北九州に進出した当時は16くらいの管理棟数だったのが、3年経った今、50を超えています。日本ハウズイングさん・合人社さん・章栄管理さんも相変わらず積極的にリプレイスに取り組んでいます。

管理会社さんに関しても、他社と比較するという当たり前の市場経済の中で決めていく時代になっています。