マンション管理士の独り言・・・1190
「鍵を失くした」
最近のマンションは全てオートロックです。
全ての入居者が持っている鍵でエントランスの開錠ができます。
しかしその鍵では他人の住戸を開けることが出来ません。開けられるのは自宅の玄関だけです。タッタ、タラリラ、そ~ん~なの常識~。
お子さんがこの鍵を失くしちゃいました。正直に理事会へご連絡がありました。
紛失した当事者は、変な人に拾われたら自宅が開けられちゃうので、鍵を取り替えるなどの対策を講じますが、その鍵でマンションエントランスのオートロックを開錠でき、入館できるので厄介です。
理事のお一人から“悪意のある第3者が入館するかもしれない。防犯上問題がある。鍵を取り替えるべきではないか?”というご意見が出されました。
ごもっともなご意見ですが、実際に作り変えるとなるとエントランスだけでは済まず、入居者全員へ新しい鍵を作り変えることが必要になります。
マンション戸数にもよりますが、大変な金額が必要です。
その費用は、失くした人が負担すべきというご意見です。
実際にこの費用を負担させた管理組合もあります。
しかしこれはどう見てもやりすぎです。
第一交通産業さんのグランドパレスシリーズ(管理会社:合人社)では、鍵を紛失した場合の取り扱いが使用細則に記載されています。
「区分所有者・占有者などが共用玄関の鍵及びその他の共用出入口の鍵と共通鍵となっている専有部分または共用部分の鍵を紛失・盗難した場合において共用部分の錠前及び専有部分のすべての錠前を取り替える責めを負わないものとする」
つぶやき主が知る限り、このように規定しているのは第一交通産業さんだけです。
他のマンションでも参考にすべき規定です。
使用細則の変更は、管理規約と異なり、総会参加者の過半数の賛成で承認されます。
管理規約変更のように区分所有者の4分の3以上の承認が求められる、ってものではありません。つまり成立要件は一般の総会議案と同じです。
マンションライフに合わなくなったりすればその都度割と楽に変更できるのでフレキシブルな対応が可能というのがメリットですが、裏返せば簡単に廃止・変更ができることに他なりません。
本件に関しては、使用細則で規定するよりも規約に盛り込んだ方がいいかなって、印象です。
最近、上下階の騒音についてのお問い合わせが増えています。
下階からは、上からの騒音がやかましくて病院にかかった、ストレスが溜まっている、弁護士に相談した。子供のしつけがなっていない、などの苦情です。
上階からは、下からの騒音苦情で参っている。生後6か月なのに飛び跳ねなんか出来ないのに、いちいち文句を言ってくる、です。
分譲マンションだから遮音性能がいい、上階からの騒音は気にならないなんて幻想です。
“仲のいい隣人はいない”って日本と韓国の様です。