マンション管理士の独り言・・・1202

マンション管理士の独り言・・・1202

「マンション+戸建ての団地」

マンションの販売価格には、土地価格も含まれます。

安く土地を仕入れ(購入)ることが出来ればそれだけ販売価格も低く抑えることが出来ます。反対に高く仕入れてしまうと、ダイレクトに販売価格に反映されることになり、その結果「このエリアじゃとてもこの価格じゃ売れないよ」ってマンションになっちゃいます。

それでも無理押しして分譲してしまうと、他物件との競合に敗れ、売れ残り物件になっちゃいます。

土地の仕入れ価格は、販売価格に大きく反映するのと同時に、早期完売できるかどうかにも関わってくる大切な事柄なのです。

当たり前ですがマンションデベさんは、土地購入者(買主)として少しでも安く土地を仕入れたいのです。

これに対してその土地の所有者(売主)は、少しでも高く売ろうと考えます。

この相反する思惑のもと価格交渉が行われ、場合によれば複数社により入札が行われ価格が決定されます。

大きな一段の土地でマンションと戸建てとが併存している団地を目にすることがあります。

何故、マンション+戸建てなのか?大規模なマンションだけではダメだったのか?反対に全てを戸建てだけに何故しなかったのか?には物語があります。

街中の利便性良い立地の土地の価格を設定する際には、収益還元法という手法が取られることが多いようです。

収益還元法とは、難しく言えば対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法です。

具体的には、その敷地にマンションを建てたときに、1戸いくらで売れるか → それが全部で何戸だから総額〇〇の純収益となる → 総額〇〇の純収益だから土地の価格はこれくらいですよ、って感じです。

マンションと戸建てで比べると、言うまでもなくマンションの方が圧倒的に沢山の戸数が確保できますし、それだけ純収益も増えます。

土地所有者は敷地全てにマンションを建築するという前提で土地価格の設定を希望します。一方マンションデベさんの方は少しでも土地を安く仕入れたいし、このエリアでそんなに沢山のマンション戸数をさばくのは難しいという意識も働き、敷地全てを戸建てとした時の価格設定を希望します。

双方の思惑が違うので価格設定にはかなりのエネルギーと時間が費やされます。

その結果、敷地の半分を分譲マンションに、残り半分を戸建て住宅用に、という前提での価格設定となります。

「マンション+戸建ての団地」をよく見てみると、マンション立地に戸建てが建っているというより、本来は戸建てエリアの中にマンションが建っていると思われるパターンの方が多いようです。