マンション管理士の独り言・・・1203

マンション管理士の独り言・・・1203

「騒音トラブル 上階の方へ」

騒音トラブルに関するご相談が後を絶ちません。実際にお住いの方をはじめ、管理会社さんからのお問い合わせもあります。

ちまた、‟〇〇シリーズのマンションは騒音トラブルが多い”なんて声も聞かれますが、そんなことはありません。

ちょっと考えればわかることですが、比較のしようがありません。

同じ人が聞き比べているわけではないし、まして騒音測定しているわけありません。

〇〇シリーズのマンションが遮音性能が劣るってわけではありません。

市内マンションの床コンクリートは在来スラブで20mm厚、ボイドスラブで250mm厚です。

その上に防振ゴムのついた受け金物(スタッド)+パーティクルボード+12mmフロアー材とどこも仕様が決まっています。

稀にボイドスラブ厚が275~300mmのマンションがある程度です。

遮音性能は梁の長さに関係するので同じ厚みでも8mくらいあるワイドスパンでは多少低減するって感じです。

更に市内マンションはほとんど福屋建設さんが建てています。

大島組さんや若築建設さんをたまに見かける程度です。

同じ仕様の床で、同じ建設会社さんが建てています。遮音性能はどこも変わりません。

市内マンションでは、どこのデベさんでも同じ程度の遮音性能です。(ザハウスシリーズや昔のグランリビオシリーズを除く)

その上で、騒音トラブルに巻き込まれた方へのアドバイスです。今回は騒音発生源とみなされる上階にお住いの方へ、次回は騒音被害にあっていると目される下階の方へです。

最後には、売主さんや管理会社さん、設計事務所さんへの注文です。

下階の方から、”お子さんの飛び跳ね音がうるさい”って苦情が直接あるいは管理会社から伝えられます。

その際、”ウチじゃないでしょ。その時間は子供は寝ていましたよ。”は禁句です。

騒音発生源は必ずしも直上階からだけではありませんが、直上階からの飛び跳ね音があるのは間違いありません。大部分は直上階です。

ウチではないと思ったとしても、先ずはグッとこらえましょう。

”ウチじゃない”と言ってしまえば、階下の方からは”嘘をついてる、これだけ迷惑かけているのに開き直っている”と思われてしまい、感情的にもつれにもつれます。

また、階下から苦情があったら、”子供をしつけます。注意します”だけでは不十分です。

”子供を伸び伸びと育てたいからあまり注意したくない”など下の下です。

そのような教育方針と階下の方へ騒音で迷惑かけるのとは全く別次元の話です。自分勝手な主張です。

お金をかけた何らかの対応が必要です。

子供部屋やリビングに防音効果のあるマットを引くなどを行わなければなりません。

そこまでしても再度苦情が持ち込まれることも十分考えられます。その時のために、子供が寝た時間や留守にしていた時間をメモしておきましょう。

階下の方は、”〇〇日の〇〇時に大きな音がした”って記録していますので、それがもし違っていれば、”ウチではありません。他のお宅からでしょう”と主張できます。

騒音トラブルは、訴訟にまで発展します。

居住者間、管理組合内部での訴訟には、勝者はいません。

訴えが認められても認められなくても、原告被告双方が敗者です。

更に、他の組合員から、「ウチのマンションは遮音効果が低いと公にしたようなものだ。資産価値が下がってしまった」と恨みを買うのが目に見えています。

分譲マンションだから、階下への遮音性能が高いなどは幻想です。