マンション管理士の独り言・・・1216

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「エレベーターオペレーション」

分譲当初売主さんが設定したものを入居後総会等で変更するのは中々難しいものがあります。エレベーターオペレーションについても同様のことが言えますが、そもそもエレベーターで現在の設定以外にどんな設定(オペレーション)があるのかを知らない人が沢山いそうなので、少しつぶやきます。

エレベーターの使用頻度ってご存知ですか?3LDK,4LDKの家族向け50戸くらいのマンションで月に約40,000回というのが平均的な数値です。

1回とはエレベーターのドアの開け閉め回数を指します。

1階から乗った人が5階で降りたとして、途中(2~4階)まで誰も乗ったり、降りたりしなければ1階と5階のドアオープンでカウント2となります。

2階、3階、4階、5階でそれぞれ乗り降りする人がいた場合は、カウントは5となります。

1階住民はエレベーターは全然使いませんし、2階住民でも健康のため階段利用の人もいます。

同じ50戸でも、1フロアー10戸の5階建てと1フロアー5戸の10階建てとでは、エレベーター使用頻度が異なるのは当たり前ですが、50戸で月間40,000回というのが目安です。

5階までエレベーターを利用したとして、エレベーターカゴがそのまま5階で待機するオペレーションと、誰も乗っていなくても1階まで降りるオペレーションとがあります。

エレベーターは1階での利用が圧倒的に多いので、利用者の利便性を考えて誰も乗っていなくても自動的に1階へ着床するオペレーションです。

着床した階でそのまま待機するオペレーションに比べ、自動で1階へ着床するオペレーションの場合は、それだけエレベーター使用頻度が上がりますし、電気代金も嵩むことになります。

どちらのオペレーションへの変更でも、お金なんて全くかからずにメンテナンス社へ言えばすぐに変更してくれます。

また、公団なんかが採用しているオペレーションでは、行く先釦を押さなくても、10時以降はどの階でもドアがオープンするっていうのもあります。

男性からすると、余計な機能のように思えて当初はイライラすることもありますが、女性からすれば変質者避けになり好評な機能です。

これらの変更は、総会の決議までは必要ないと考えますが、実施前後のアンケートをとるなどして住民の意見を聞くことが不可欠です。

どのオペレーションへの変更についても、分譲当初からの変更になりますので、かなりハードルは高くなります。

これはオペレーションとは違いますが、エレベーター壁を傷つけないようにマットを設置しますが、これを撤去するにもかなりのエネルギーが必要です。

「もう全戸引っ越しも終わったし、マットを取ろう。見てくれが悪い」というご意見に対し、「引っ越しは終わったけど、家具などの搬入の際にあれば便利。このままでいいじゃん」というご意見が出されます。

理事会では、一旦は「アンケートを取ってどちらか多い意見に従おう」となりますが、そのうち「こんなことでアンケート取らなくてもいいじゃん」と尻すぼみとなり、そしてマットは何時までたっても、壁に貼り付いたままです。

売主さんが当初設定したものを変更するのはソートー難しいって話でした。