マンション管理士の独り言・・・1220
「タイル環境」
外壁タイル貼りのマンションは高級というイメージがあるのでしょうが、外壁タイル貼りのマンションばかりです。
落下したら危ない梁下にも貼っていたりしますので、これは高級感のはき違えです。
タイルは貼っているので剥げます。どんなに上手に貼っていても、経年劣化により剥げてきちゃいます。
養生期間が十分でなかったり、壁面の清掃がいい加減だった場合には10年後には目も当てられないくらいの剥離枚数になってしまいます。
マンションには、面積に差があれ東西南北と4面あります。
その中でも剥げやすい方向と言うのがあります。一番剥げやすいのが、南面です。
日当たりがいいし、風にもさらされているので、他の3面に比べ圧倒的に剥げやすくなります。続いては西面です。特に北九州では強い西日があり、剥げやすくなっています。
続いて東面、北面となっていきます。
また、風が吹きあたる方向も剥げやすい傾向にあります。
一般的には、南→西→東→北の順番で剥げやすくなっていきますが、マンションの場合、北面が南面に続いて剥離個所が多いということがあります。エレベーターの影響です。
エレベーターは、北面外壁に面して設置されることが多く、乗降のたびに振動を伴いますので、タイルの接着が脆弱になり結構な枚数が剥離することとなります。
現在メンテナンスが行われているモノレールの橋脚や、駅舎入り口下部に貼っているタイルの剥離が悪い見本です。
アッチコッチのタイルが剥がれています。モノレール車両の通行時の振動によるものと思われます。「他人の振り見て、我が振り直せ」です。
タイル貼りは振動に脆弱です。
その他道路に面している方向が車両通行の影響を受けて剥げやすくなります。
車両通行に伴う振動や排気ガスの影響も少なからずあると言われています。
貼り方にも剥げやすい、剥げにくいっていうのがあります。
1枚1枚が独立して貼られている深目地ではタイルの印影が浮き出て高級感が得られますが、目地によって四方のタイルと連結されていないので剝がれやすくなってしまいます。
他方、浅目地ではタイルとタイルとが目地によって連結されて、いわばスクラムを組んでいる状態になるので、深目地よりもずっと剥げにくくなります。
ただし1枚1枚のタイルの印影が出ないのでノペッとした感じで高級感には劣ります。
また、北九州の場合、ずっ~と以前にタイル剥落により死者がでたことにより、3年に1度特定建築物定期調査が行われますが、九州山口では、この調査が義務付けられているのは北九州市と福岡市だけです。
10年に1度はタイル全面打診検査が義務付けられています。
剥がれちゃうし、補修方法は少ないし、塗装補修よりお金がかかるし、管理にお金はかかるし、品確法の適用除外だし、もし落ちれば大事故につながりかねないし、・・・・。
言い出したらキリがないくらいです。
タイル貼り神話はそろそろ終わりにしませんか?