マンション管理士の独り言・・・1254

マンション管理士の独り言・・・1254

「お世話になっています。」

北九州マンション住民としてお世話になっているものについて掘り下げちゃいます。

生活する上でしていろんなものにお世話になっていますが今回は「水」です。

蛇口を開けると「水」が出ますが、この「水」は先ずは水源(主にダム)から取水して、次に浄水場でキレイにされ、それぞれのご家庭に届けられています。

ダムは増渕・畑・頓田など市内に8か所あり、さらに遠賀川河口堰、大分の耶馬渓ダムからも取水されています。

そこから市内に3か所ある浄水場(穴生・本城・井手浦)へ送られ、決められた水質基準まで浄化され、その後市内46か所にある配水池に送り、各ご家庭の蛇口へ届けられています。

3か所の浄水場の水質検査の結果は井手浦浄水場がダントツです。

有機物などの含有量は他の2か所と比べ一桁違うくらいにキレイになっています。

昔から”小倉の水は八幡の水より美味しい”って言われていて、販売センター長時代は、「このマンションの水はどこが水源なの?」て聞かれたことが思い出されます。

マンションの各住戸へ水を届ける方法は、大きく3つあります。

現在主流なのが直結増圧給水方式です。前面道路から各戸へ直接ポンプアップして給水される方式です。簡単に言えば、戸建てと同じ方式です。

後で出てくる受水槽がないため、清掃の必要もなく清潔だと言われています。

続いて受水槽方式です。前面道路から一旦マンション敷地内の受水槽に水を貯めて、そこから各戸へポンプアップして給水する方式です。

受水槽には、年に1度の清掃と水槽が10㎥を超える時は水質検査報告が義務付けられており、その分費用がかかります。

また受水槽の塗装が剥げると太陽光が水槽内に届くことになり、その結果光合成が促進され藻が生えやすくなります。不衛生です。

このため15年に1度くらいの頻度で塗装補修を行わなければなりません。

更に一旦受水槽に貯めた水ですので夏場は”異臭がする、ナマ暖かい”などの苦情が寄せられることもあります。

唯一のメリットは大災害時に受水槽に貯まっている水で急場をしのげる、ってことが言われています。

この他、受水槽+高置水槽給水方式っていうのもあります。受水槽から建物屋上に設置している高置水槽へポンプアップし、各戸へは重力(上から下)で給水する方式です。最近ではあまり見かけなくなった方式です。

水道料金支払いシステムにも2通りあります。それぞれのご家庭の使用料を検針し、使用した分だけ水道料金を支払うという戸別検針方式が一般的な方式です。戸建てと一緒です。

もう一つは一括検針方式です。

マンション全体で使用した分を先ずは管理組合が水道局へ支払います。

その後管理組合で各戸の水道使用量を検針し、使用した分に応じた料金を各戸へ請求するという方法です。

水道局からすれば、マンション全体使用料を示すメーター(1か所)のみを検針すればいいので手間がかからないというメリットがあります。

一方管理組合の方のメリットは、全戸が基本料金の元となる基本水量を使用するわけではないので、使用されていない分も漏れなく利用できることとなり、差額分が収入になります。

ただし計量法の関係でメーターの取り扱いには注意が必要です。

北九州の場合では、各戸検針のメーターは水道局からの無償貸与なので、計量法による8年に1度のメーター取り換え費用はかかりません。

これに対し一括検針の場合にはマンション全体分のメーターは市からの貸与ですが、各戸に付いているメーターは管理組合の所有物となりますので、8年に一度メーター取り換え時には費用(各戸約20,000円)が必要となります。