マンション管理士の独り言・・・1255

マンション管理士の独り言・・・1255

「お世話になっています。今回は排水」

前回の給水に続き、今回の”知らないうちにお世話になっているシリーズ”第2弾は排水についてつぶやきます。

ご飯を食べて食器を洗い、お風呂に入って石鹸を使い、トイレに行って用を足し・・・、排水にはとてもお世話になっています。

台所やお風呂から出される排水は「雑排水」。トイレからは「汚水」。(この2つを生活排水と呼ぶ)降雨時に屋上やバルコニーからの竪管を伝わって処理されるのが「雨水」です。

マンションの場合の排水は、「雑排水」と「汚水」とを一緒の排水管で処理してしまう合流式と、それぞれ別系統で排水する分流式とに大別されますが、北九州市のマンションは合流式がほとんどです。当然ですが雨水とは別に処理されています。

これに対し、これらが流れ込む下水道については、雨水と生活排水(雑排水+汚水)とを別系統で処理する方法を「分流式」、雨水+雑排水+汚水を一緒くたに処理する方法を「合流式」と呼ぶのでややこしいのですが、注意が必要です。

雨水は外壁に設置されている竪管を伝ってマンション敷地内の雨水桝から地下の雨水用管路を経由して直接川へ戻されます。

当然ながら下水道での「分流方式」は雨水と生活排水とを一緒に処理する「合流方式」に比べて自然に優しい方式です。

北九州市内では小倉北区の街中の1部にまだ「合流式」が残っています。

一方、生活排水は地下汚水用管路を通って浄化センターで浄化処理されます。

北九州には浄化センターが5か所あり、5か所の浄化センターでは1日で約40万トン(市庁舎約4杯分)の雑排水をキレイに浄化しています。

大腸菌数やBOD(生物化学的酸素要求量)などの検査を行って最終的には川や海へ流されています。また、北九州の下水道普及率は99,9%!!政令指定都市3番と言う優秀な成績です。

雑排水竪管は、最上階から2階まで繋がっています。1階だけは単独別排管となっています。1階住戸に過度な負荷を掛けないようにするためです。

そのあおりを食っているのが2階住戸です。15階建てだと2階から15階までの14住戸の排水が2階で終結するという具合です。

上階の方の使い方が悪く、ラードが溜まって排水竪管が詰まったりすれば2階住戸に排水が逆流するなど被害が発生しちゃいます。

1階がピロティなどで住戸がない場合は2階が単独別排管となっているので、上階からの負荷を背負い込むのが3階住戸ということになります。

最近立て続けに2階住戸で雑排水の逆流が発生しました。ラードが詰まっていました。

自分や家族が使用した雑排水でも勘弁してほしいのに、上階の他人が流した排水がキッチンなどで逆流して溢れ出すのです。キッチンなど総入れ替えです。

幸いにも保険適用できましたが、最悪の時は管理組合負担となるところでした。

逆流した住戸のあるマンションでは2年に一度の頻度で排水管高圧洗浄を実施していましたが、来年からは1年に1度に変更します。

特に10階以上の高層マンションの場合には、排水管高圧洗浄は1年に1度をお勧めします。逆流した時のことをイメージしてください。復旧には相当なエネルギーが必要です。

大変な目にあいました。