マンション管理士の独り言・・・1258

マンション管理士の独り言・・・1258

「新築マンションの買い方(住んでトラブルになりやすいマンション)」

前回のトラブルになりやすいマンションその2です。

駐車場に関しては、特に注意が必要です。

前回も分譲駐車場についてつぶやきましたが、それ以外でもトラブルになる種があります。機械式駐車場は多くのトラブルを抱えます。メンテナンス費用が莫大にかかり、それが管理組合の懐を圧迫するのは勿論ですが、それ以外にもトラブルが尽きません。

入出庫しやすい・しにくいだけにとどまらず、”通勤に使おうとして機械トラブルで出庫できず、仕方なくタクシーを使った。その費用を管理組合が負担してくれ”ってこともあります。また、”鉄性のレールの上を滑車が走るのでどうしても錆が生じ、それで車が汚れるから錆止め塗ってほしい”なんていうのもあります。

地下のある駐車場の場合、”豪雨時に排水ポンプが作動しなかった”っていうケースもありました。

機械式駐車場は、コスト面以外にも運用面で理事会の頭を悩ませます。

平面だけで駐車場充足率100%できるならば、2台目駐車場として機械式駐車場を用意するなんて愚の骨頂です。

更に来客用駐車場もトラブルが尽きません。購入者の多くは、入居当初は”来客用駐車場があって良かった”なんて思うのですが、段々同じ車が停まっていることに気が付きます。管理人さんが帰るのを見計らって、毎日のように来客用を利用する不届き者が入居者にいるから困りものです。

”ちゃんと敷地内駐車場を契約して使用料支払って停めろよ”って声が上がります。

また、”使用料収入が入らない来客用駐車場を作るくらいなら、使用料の取れる2台目区画として希望する人に使ってもらった方が良い”というもっともなご意見も上がります。

兎に角、来客用駐車場はルールを作成すること自体が難しく、またそのルールを破る不届き者が出てきます。また運用面でも難しいというのが現実です。

マンション居住者の所へ尋ねてくる人は、自分で近くの駐車場を探して、そこから歩いて来ればいいのです。

駐車場区画指定の運用面にも注意が必要です。区分所有者が所有する住戸を売ったり、貸したりした場合、次の所有者や賃借人が、以前の所有者が利用していた駐車区画をそのまま引き継げるかどうかも売主さんによって大きく異なっています。

市内では3つのパターンがあります。一つは売っても貸しても、利用していた駐車区画は一旦管理組合に返却。その後区画移動を希望する人の間で抽選。というパターン。

二つ目は、売っても貸しても次の所有者・賃借人が引き継げるってパターンです。なかやしきさんがこのパターンです。一見いいように見えますが、駐車区画に平面や屋根付き、機械式、軽区画など多くの種類がある場合にはトラブルに発展することがあります。

軽区画を利用していた人が、普通区画に移動したいと思っていた時に、専有部分の売買で普通区画が空いて、”そこに移動したいな”って淡い期待を持っていました。

ところが、次の所有者がサッサと引き継いでしまっちゃいました。チャンチャン。

「なんであんな新参者に、チクショ~」ってなります。

最後は、売買の場合は、それまで利用していた駐車区画は管理組合に返却。賃貸の場合は賃借人へ引き継げるってパターンです。

売買の場合は、もう組合員でなくなったので駐車区画は返してね。賃貸の場合は、またこのマンションに戻ってくることも考えられ、その時以前利用していた駐車区画が利用できなかったら不便でしょう、という考えからのものです。

3つのパターンそれぞれで長所・短所があります。置かれた立場によって見方や長所が変わってきます。

その辺りは、自分で考えなきゃ、です。