マンション管理士の独り言・・・1270

マンション管理士の独り言・・・1270

「分譲駐車場を買う人は、ジコチュー」

何度言っても一部の地元デベさんは、分譲駐車場と言う悪しき販売方法を止めないし、それどころかA物件の様に悪辣さが更に増しているような傾向さえ見られます。

このデベさんに言わせれば、「だって購入者のニーズだもんね」どこ吹く風のシランプリです。しかし一面真理です。分譲駐車場を希望する購入者がいるから、買う人がいるから、この悪しき販売方法はなくならないのです。

分譲駐車場を購入する人がなくなれば、デベさんだって止めちゃいます。そこで分譲駐車場を購入した人、購入を検討してるって人にちょっとだけ悪態つきます。

分譲駐車場を購入した人、購入しようとしてる人は、「分譲駐車場は屋根がついていて車もピカピカ。場所も永久に変えられることはない。初めにまとまったお金はいるけど、20年くらいすれば元はとれる」って考えています。

駐車料金が仮に1台8,000円だとして、1年で10万円。20年で200万円です。

管理費や積立金で月額1,500円程度。25年も住めば元が取れるって考えです。

全くジコチューで浅はかな考えです。

分譲駐車場が20区画あるマンションでは、本来はマンション管理組合に入るべき年間200万円の駐車場収入が入って来ていないのです。

15年目の大規模修繕工事時には3,000万円と言う巨額が修繕積立金に入っていないことになります。

一般の月極駐車場と異なり分譲マンションの駐車場使用料は管理組合に入金され、自分たちのマンションのために使われるって事が頭からスッポリ抜けてしまっています。

入金されるべき3000万円が不足するならば、それを自分たちを含めた区分所有者全員で補填しなければなりません。

本来管理組合に入金されるべきお金を何故売主に支払わなければならないのか?について頭が回っていません。結局は自分で自分の首を絞めているってことに気が付いていません。

また、分譲駐車場を購入していない善良な区分所有者は、一部の浅はかな区分所有者が購入した分譲駐車場のために修繕積立金が不足し、大規模修繕工事時にそれを穴埋めさせられちゃっています。

さらに最近の分譲駐車場は一定面積が、敷地や共有部分の共有持ち分の分母となる専有面積に加算されています。

その結果、分譲駐車場を購入していない善良な区分所有者は、専有部分(=分子)は変わらないので、分母が大きくなった分だけ共用部分の共有持ち分割合が減少するって憂き目にあっています。当然敷地に関しても同様で共有持ち分が減っています。

分譲駐車場を購入した人、購入しようとしてる人を攻撃しちゃって申し訳ないけれど、マンション管理組合の健全な経理のためには分譲駐車場という販売方法はあっては困るものです。分譲駐車場を買う人がいなくなれば、この悪しき販売方法もなくなるってもんです。

この辺をもうちょっと理解していただきたいな・・・と。

前回A物件についてつぶやいたら、”どのマンションですか?””〇〇マンションのことでしょう?”ってお問い合わせが多くて困っています。

マンションを買おうとするなら、それくらい勉強しなきゃ、です。