マンション管理士の独り言・・・1283

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「木綿のハンカチーフ」

一昨日のNHK「うたコン」で”木綿のハンカチーフ”が流れました。

ご本家の太田裕美さんの熱唱を久しぶりに聞きました。

この歌には思い入れがあります。

父が亡くなった時の葬式での話ですが、開始時間までもうしばらくあり、その間ご参列者にはホールでお待ちいただいています。

葬儀場の方から、”お待ちいただいている間に、生前故人が好きだった歌を流しましょう”というご提案がありました。

弟が、”お父さんは「岸壁の母」が好きだったよ”と、一言です。

そう言われれば、よくステレオで聞いていたな、で、「岸壁の母」をリクエストしました。

葬儀場の方は、少し浮かない顔をして首を傾げながら事務室の方へ歩いていきました。

しばらくして、”申し訳ありませんが、「岸壁の母」はストックされていません。ほかの歌でお願いします”です。

”そりゃそうだ。葬儀場に「岸壁の母」は置いてないよな”って妙に納得しました。

それなら、と横で姉が”お父さんは「木綿のハンカチーフ」が好きだったよ”と言います。

母親も、”そう、そう”って納得顔です。そんなハイカラな歌を好きだったなんて知りませんでした。

でも「岸壁の母」から「木綿のハンカチーフ」という父のレパートリーの広さと、2つの歌のあまりの落差に思わず吹き出しそうになりました。

葬儀場の方も顔を真っ赤にして、笑いをこらえていました。

葬儀場にはあまり似つかわしくありませんが、ホールに「木綿のハンカチーフ」が流れました。

ご参列者も神妙な複雑なお顔で聞いていました。

後日、事務員さんにこの話をすると、”「木綿のハンカチーフ」に出てくる女性って重たいですよね”って一言。思わず”どういうこと???”です。

”この歌に出てくる女性って、プレゼントするって言われて、貴方のキスの方が素敵。都会の絵の具に染まらないでね、だって。極めつけは、別れ話を切り出されて、涙拭く木綿のハンカチーフ下さい。ですよ。こんな女性は嫌われて当然ですよ。男性からすると、とても重い女性でしょ”です。

ショックでした。この歌のヒロインに対しては、可愛い、素直な、飾り気のない、可憐な乙女というイメージを持っていたのに、です。

同じ歌、同じ歌詞なのに、こんなにも、180°違う印象を持つ人もいるのだな、って驚きです。

「木綿のハンカチーフ」でさえ、聞く人によれば全く正反対の印象を持つのです。

利害関係が多く存在するマンションでは、考え方の違いが出てきて当然。合意形成は難しいなって、再認識した次第です。

「木綿のハンカチーフ」とマンションを何とかしてくっ付けようとしましたが、かなり無理筋のつぶやきでした。