マンション管理士の独り言・・・1290

マンション管理士の独り言・・・1290

「これもかなり、難しい」

こんなの出来っこないシリーズです。

今回は、やってやれないことはないけど相当難しいものです。

つぶやき主は、過去2回実施しました。2回とも大変な目にあいました。

標準管理規約では第44条に記載されている組合員からの総会招集です。

「組合員総数と議決権総数の5分の1以上からの会議の目的を示して要請あった時は、理事長は総会を開催しなければいけない。理事長が招集しないときは請求した組合員が臨時総会を招集できる」の規定です。

この5分の1と言う数字は要請数を少なくすることは出来ても大きくすることは出来ません。

100戸のマンションで5分の1ならば20戸の要請で可能となりますが、これを6分の1(=17戸)とすることは出来ても、4分の1(=25戸)とすることは出来ないってことです。

実務的に5分の1の組合員で総会開催を理事長へ要請するシーンは、多くの場合”理事長の不正”があったり、または”理事長の方針が独りよがりで間違っている”場合がほとんどです。

「議案 理事長解任について」などと目的を示さなければならないので、自身を糾弾するような総会を理事長が招集するわけがありません。

そこで総会要請者が、総会開催招集者となります。

当然ですが、招集者が誰であっても総会は適法に開催されなければならないので、決められた時期までに組合員全員へ総会案内・議案書を配布しなければなりません。

後になって、理事長の息のかかった組合員から”自分宅には議案書が届かなかった”と言われないように漏れなく配布しなきゃ、です。

組合員全員がそのマンションに居住していればいいのですが、必ず10%程度は外部所有者が存在します。

外部所有者がどこに住んでいるのかを記載した名簿は管理会社で保管しています。

自主管理の場合は理事長が保管です。理事長が名簿を開示してくれるわけがありません。

管理会社に言っても、”理事長からの許可がないと開示できません”とヤンワリ断られます。

つぶやき主もご多聞に漏れず断られました。

弁護士へ相談し、“このような場合は、法務局で謄本を閲覧して登記上の住所へ郵送するしか仕方ないでしょう”ってことです。

大枚はたいて時間を割いて法務局で謄本を取り全員へ郵送です。

そうしてやっと総会開催にこぎつけましたが、理事長が多くの人の委任を取り付け「理事長解任について」議案は敢え無く撃沈です。

また、つぶやき主は遭遇したことはありませんが、組合員招集総会開催日にぶつけて理事長が臨時総会を開催、なんてこともあるようです。

先日、福岡高裁では、「理事会で理事長をヒラ理事に降格することは合法」との判断がなされました。”何を今更”って感じです。理事会で理事長や副理事長を決めるんだから、その人が不適格ならば理事会で降格できる、ってことで現場ではよく目にする手法です。

裁判所が後追いながら、それにお墨付きを与えたって感じです。

適正に機能している理事会と、監事にキチンとお目付け役になってもらう方が余程有効です。