マンション管理士の独り言・・・129

「新築マンション購入法  その8 修繕積立金」

「マンションは管理を買え」と言います。
これは決して名の通った有名な管理会社が管理をしているマンションを買えということではありません。
しっかりした管理組合活動がなされているマンションを買えという意味ですが、中古マンションの場合ならば、管理状態の良し悪しは、管理費滞納割合とか大規模修繕工事の履歴などでわかります。
しかし、新築マンションの場合には、まだ管理組合も結成されておらず、理事長もいないという状況なので管理の良し悪しはわかりません。

新築マンションの場合は、管理規約や長期修繕計画や修繕積立金の額で判断します。
管理規約や長期修繕計画は、読むだけなら読めるのでしょうが、その内容までは素人の方で読みこなすのは難しいでしょう。
簡単に読みこなせたり、また、他のマンションの管理規約との違いなんかを簡単に理解されたら、マンション管理士の商売あがったりです。
そこで、新築マンションの場合において管理の良し悪しは、今後管理組合が出来て理事長も就任した後に、しっかりとした管理組合活動が行われる仕組みがキチンと出来ているかどうかが、バロメーターとなります。
その中で、それ自体重要でかつ簡単に判断できるのが修繕積立金の額です。
当初の月払の負担を少しでも軽く見せようと、修繕積立金の額を著しく低く抑えているマンションはお勧めできません。
管理組合設立後すぐに修繕積立金の大幅なアップが待っているか、そうでなければ大規模修繕工事実施時に1件当たり○○万円の一時金の負担が発生するのか、のどちらかになるのは目に見えています。
修繕積立金の適正額は、そのマンションの設備や仕様により大きく異なってきますが、参考となるものはあります。
たとえば、マンション管理標準指針では
築4年未満では、月額13,585円、
5年~9年では    16,445円、
10~19年では    17,515円、
築20年超では    17,446円   としています。
タワーマンションの場合には、この金額の1,5倍くらいと考えていた方がいいでしょう。

平成20年度マンション総合調査では、全国平均1住戸当たり10,898円となっています。
(平成15年度総合調査では、9,066円)
現在購入を検討しているマンションの修繕積立金は、適正額ですか?