マンション管理士の独り言・・・1306

マンション管理士の独り言・・・1306

「売主の責任」

分譲マンションを購入者(=買主)へ引き渡すまでには多くの業者が関係してきます。

そのマンションの設計や工事監理を行う1級建築士事務所、その工事を行うゼネコンさん、更にそのマンションを販売する販売会社、引き渡してから後の管理組合のお世話をする管理会社です。

そしてこれらを束ねる、大元、司令塔、発注者が売主不動産会社です。

デベロッパーなんて言われます。

このデベさんは、購入者からすればマンション売買契約の相手方(売主)と言う立場です。

購入者(=買主)からすると直接的に法律関係があるのはこの売主さんだけです。

建築事務所やゼネコンさんなどは売主であるデベさんとそれぞれ設計監理契約や工事請負契約を結んでおり、発注者と請負者と言う法律的関係にありますが、買主とこれら業者とは直接的な法律関係があるわけではありません。

買主がこのゼネコンさんに工事施工を発注したわけでなく、デベさんから購入したマンションを施工したのがたまたまこのゼネコンさんだったというだけのことです。

しかしマンション入居後、不具合等あれば実際にはゼネコンさんが補修を行うことに成ります。

初めのうちは、管理会社⇒売主⇒ゼネコンさんという流れで補修工事が行われますが、

顔なじみになると法律的関係のあるデベさん(売主)に連絡せず、直接ゼネコン担当者へ連絡する人も現れてくるほどです。

ゼネコンさん担当者で判断できるほど明らかな瑕疵の場合はいいのですが、瑕疵に該当するのかどうか不明、補修には高額な費用がかかりそう、施工の不具合ではなくてデベさんの指示に従って施工したものに対する入居者の不満などについてはデベさんの判断が必要になることがしばしば出てきます。

この様な場合、ゼネコン担当者さんは、「ご意向は分かりましたが当社では判断できません。売主さんに聞いてみます」という返答にならざるを得ません。

管理組合としてはアフターサービス2年目の点検については、各住戸に関してはバルコニーの不具合補修が主なものになります。

全戸へアンケート調査を行い、不具合ヵ所あれば入室して現況を確認することが必要です。現況確認しないと最適な補修方法が見つかりません。

そのためゼネコンさん担当者が現況確認するのは当たり前ですが、売主さん担当者が同行しない場合があります。これは良くありません。

この折売主さん担当者も同行しなければいけません。

”売主さんの意向”を聞かないと勝手にゼネコンさん担当者で判断できない場合があるからです。

”補修工事を行うのはゼネコンさんだからゼネコンさんが現地確認すればいいや”アフターや補修に関してはゼネコンさん丸投げの売主さんがいます。

よ~く考えてよ、購入者(買主)はデベさんから購入しています。それなのに売ったもののアフターは”全部ゼネコンさんお任せね”じゃいかんでしょ。

”オタクから買ったのだからオタクは売主として売ったものに責任もってよ”です。

売主さんが出張ってこないことで苦情になるし、また返答が遅いことで苦情になります。

管理会社さんは板挟みで可哀そうになってしまいます。