マンション管理士の独り言・・・1314

マンション管理士の独り言・・・1314

「エレベーター アレコレ2」

前回エレベーターアレコレをつぶやいたら、「メーカー系メンテ社から独立系メンテ社に変更したいけど、つぶやいたこと以外に気を付けることはないか?」というお問い合わせをいただきました。

その方には懇切丁寧にお話ししてあげました。その概略を今回の独り言に・・・。

メーカー系メンテ社から独立系メンテ社にすると間違いなくメンテナンス費用は安く上がります。そうでなきゃ誰も独立系に見向きもしません。当たり前の話です。

金額の安さでは独立系メンテ社ですが、部品供給のスピードに差が出る場合があります。

供給先はメーカーですから自社がメンテを行っているマンション・ビルなどに優先して部品を供給します。独立系への部品供給は後回しにされちゃいます。

その結果、若松のマンションでは部品供給がなされず2か月もエレベーターがストップしたという例もあります。

また、一旦メーカー系メンテ社から独立系へメンテ会社を変更し、部品供給が遅れるなどの理由で再度メーカー系メンテ社へ変更しようとする場合には1基あたり600万円近くのお金がかかります。

これは、独立系メンテ社が純正でない部品などを使用していてそれらを純正部品に変更しなければ安全が確保できないという名目で、その変更費用をはじめに請求されるからです。

もっともらしい名目ですが、「一旦はウチから離れていったでしょ。別にウチに戻ってこなくてもいいよ。どうしてもウチに戻ってきてほしいなら600万円かけてよ」ってペナルティみたいな感じがします。

600万円出してメーカー系メンテ社へ変更することについて、部品供給が遅れると生活できなくなり変更に賛成の高層階にお住いの住民とエレベーターなんて使わない(=600万円もかけて変更する必要はない)1~3階の住民とで対立が生じたりします。

25年くらいを目安にエレベーターリニューアルが行われます。

メーカーでは20年くらいでそのエレベーターの部品製造をストップしてしまいます。

製造がストップされても在庫があるため供給が直ちにストップするわけではありませんが、やがて底をつくのがわかりきっていますので、そのタイミングでリニューアルが行われます。

このリニューアルを契機に、独立系メンテ社からメーカー系メンテ社へ変更しようと相見積もりを取ろうと思っても、応じてくれません。

「見積提出しても高くて勝負になりませんから」とやんわり断られちゃいます。

当然ですが、三菱製エレベーターのリニューアルに東芝エレベーターや日立エレベーターは見積もりに参加しません。相見積もりなんて出してくれません。

マンション住民は、「〇〇エレベーターにしたい」って希望を出したわけではないのに、分譲当初に設備されていた〇〇エレベーターと何らかのお付き合いがずっとついて回ります。