マンション管理士の独り言・・・1317
「住宅情報盤」
住宅情報盤っていうのは、リビングに居ながらにして玄関エントランスのオートロックを解除し来客を入館させることができる優れもの設備のことです。
平成以降に建てられたマンションでは、この設備はスタンダードなものになっています。
玄関エントランスに親機、リビングに弁当箱大の子機がついています。
単にオートロック解除だけの機能だけでなく、非常ボタンや火災警報器なども内蔵されており、異常時には警備会社へも信号が伝わるようになっています。
「住宅情報盤は、専有部分なの?」ってお問い合わせをいただきました。
これは管理規約によって異なります。扱いは大きく4つに分けられます。 ①専有部分内にあるから専有部分 ②専有部分にあっても、マンション全体の安全に資する設備(火災警報器など)がついているから共用部分 ③専有部分だけど、維持管理は管理組合が行う ④共用部分だけど日常の使用に伴う修理はその住戸所有者が行う です。
まれに住宅情報盤に不具合が発生します。エントランスの来客の声が聞こえなくなった、画像が乱れる、ウンともスンとも言わない、などです。
仮に505号室から上の605,705号室~に不具合が発生したときは、本体そのものよりも玄関横のインタホン設備の中の配線に問題が生じていること(結露など)が多いようです。
そうでなく102,303,405,601などまだらに悪くなっているときは、本体そのものに不具合が発生していると考えた方がいいでしょう。
大体、築後20年を越したあたりから不具合住戸が現れてきます。全住戸の5%も悪くなればもう一斉交換しかありません。
住宅情報盤が専有部分なのか共用部分なのかにかかわらず、一斉取り換えの際は管理組合負担で行うのが通常です。
住宅情報盤のメーカーは、パナソニックかアイホンの2つに絞られちゃいます。
火災時や非常時に警備会社へ信号が伝わらないタイプならば、その2社でさほど金額に差が出ません。取り換え費用は、1戸当たり12万円程度でしょうか。
これが非常時などに信号が警備会社へ伝わるタイプになると、金額に大きな差が出ます。
もともとの配管・配線がパナソニック製ならばパナソニックの見積もりは戸当り14万円程度ですが、アイホンだと18万円くらいになっちゃいます。
反対に、もともとがアイホンの配管配線ならば、アイホン見積りは14万円くらいですが、パナソニックでは18万円となってしまいます。
もとあった住宅情報盤メーカーならば配線配管を引き続き使用できるけれど、違う住宅情報盤メーカーに変更すると配線配管をやり替えなければいけないようです。
20年後の取り換え時に他社へ乗り換えできないように、互換性を持たせていないようです。
“ズルい”けれど“賢い”やり方です。
見習わなきゃ、です。
昨日、北九州市内の全区(小倉北区・小倉南区・門司区・八幡東区など7区)の区長さんを対象にマンション管理セミナー(自治会加入促進)で講師を務めました。市役所3階の大ホールです。
先月講師を務めた自治連合会での講演が好評だったらしく、それを区長さんにも、ってことのようです。
初めに地域振興課から話をもらった時には、二つ返事で「ああ、いいですよ」って感じだったのですが、区長さんって偉いんだ、と知ってほんの少し緊張しました。
部長の上の局長クラスだそうです。しゃべり倒して来ました。